鳥飼茜先生

自分の思うがままに振る舞っている女性は魅力的に映る

——サトミンはせりかに一途な男性です。もし、サトミンのようなロマンチストな男性を好きになった場合、どうすれば落とせると思いますか?

鳥飼:落ちないです。だって、サトミンはせりかという女神様がいますから。サトミンが女神認定しないことには何も始まらないと思います。私の中の基本原則なのですが、自分に関心のない男性を振り向かせるのは無理です。

——自分に関心を持たせることもできないのでしょうか?

鳥飼:多少はできると思いますが、私の人生観で言うと、全く関心ゼロの状態から振り向かせるのはほぼ無理。

——じゃあ、「あきらめて次へ行け!」ということですか?

鳥飼:関心を持ってもらおうとする振る舞いが逆効果の場合もあるんじゃないかと思います。自分が良いなと思っている人からは声がかからず、どうでもいい人からはやたらモテるって、よくある話です。

人間は自分の思うがままにその人らしく振る舞っているときが、一番魅力が出るはずなんです。だからそれを隠さないといけないような局面になったらアウトだと思います。

——でも、相手の理想の人に近づきたいという気持ちもありますよね。

鳥飼:せりかがなぜモテるかというと、せりかはサトミンのことを見ていないからです。

せりかは自分の「せりか像」しか見ていなくて自由です。だから、魅力的に見えるんです。

サトミンを振り向かせたいとか、そういう行動原理ではありません。

『ロマンス暴風域』(扶桑社)鳥飼茜

——彼のためにすごく尽くす女の子もいますが、彼に尽くすより自分のことを考えた方がいいんですか? 例えば、彼が風邪をひいたので看病に行くと重いと思われたりするとか……。

鳥飼:尽くして嫌がられるということはないと思いますし、尽くしたきゃ尽くせばいいです。

「私が看病に来たかったから来た!」というのが一番魅力的だと思います。

行きたいけど行ったら嫌われるから行かない、ということをずっとしていたら、どんどん自分らしさがなくなっていきます。看病に行ったところで鬱陶しいと思われたらそこまでなんだし、その後絶対うまくいかなくなります。

——自分の言いたいことややりたいことを、我慢せずに言ったりやったりした方がうまくいくと。

鳥飼:おそらくその通りだと思います。

男性はいつまでも「あの時ヤれたかも」を引きずる

——男性は女性とどれだけセックスできるか数を競っているナンパ師のような人もいます。

でも、女性は一部の人をのぞくと基本的にヤリチンは嫌いです。たくさんの女性とヤりたい男性と誰彼かまわずヤってほしくない女性、このあたりの男女のすれ違いの理由は何なんでしょうか。

鳥飼:ナンパ師のような人は一部でしょうけど、男性はみんな心の中では「あのときヤらなかったけどヤればよかった」という「ヤれたかも」というのを引きずる思いはあると思います。

——女性にそういう思いはないですよね。

鳥飼:「あとちょっとであの男とヤれたかも」なんて私にはないです。