「三年付き合った彼氏と別れたのは、彼が結婚に前向きでないとわかったから。
私はこのままいい家庭を築いていきたいと思っていたけれど、彼の『家庭に縛られたくない。交際のままでいい』という言葉が決定打でしたね。
嫌いになったわけではないし、彼から『結婚だけがすべてじゃない』と言われてひるんだし、別れて数週間はかなり落ち込みました。
彼からもらったリングや服を見ると涙が出て、『さっさと手放したほうがいい』と思うけれど勢いに任せて捨ててしまうと後から絶対に後悔する気がして、それもできず。
捨てるかどうか悩むことがすでにストレスで、踏ん切りがつかないならとダンボールに全部詰め込んで厳重に封をして、クローゼットの奥に隠しました。
みんなからは『残しているとダメ』と言われたけれど、知り合いの男性が『別れた女からのプレゼントなんて置いておく価値はない』と話すのを聞いたときに『そのときの愛情まで憎くなるなんて、虚しいな』と思いました。
いきなり捨ててしまうと彼氏との時間をないがしろにする気がして……。確かに関係は終わったけれど、思い出はきちんと受け止めていたいなと思いました。
“捨てない勇気”を持てたのがよかったのか、顔を上げるというか前に進もうという気になれて、一ヶ月経った頃は元気になっていましたね」(32歳/受付)
別れた彼氏からもらったものは、目に入るたびに思い出が蘇って苦しくなる人も多いと思います。
どう扱うかは自由で、潔く手放すことで未練が薄くなったり、反対に手元に残しておいて記憶を慈しんだり、大切なのは心のけじめではないでしょうか。
この女性の場合は、あえて捨てない勇気がかえって気持ちを切り替えることにつながったのですね。