「二年前のクリスマスは、直前に彼女と別れてしまい気分はどん底でした。

仲のいい友人たちはもう彼女や家族との予定で埋まっていて、一人暮らしの俺は“ぼっちクリスマス”を覚悟してお酒を買い込みました。

当日はバーガーショップのチキンとコンビニでおつまみを購入し、『映画でも観るか』と新作をレンタルして帰宅。

8時くらいに玄関のチャイムが鳴り、こんなときに何だろうと思ってドアスコープを覗いたら親友のAが立っていました。

慌ててドアを開けると、『メリークリスマス』とAが目の前に持ち上げたのは俺が好きなワインの瓶。

『今夜は彼女の家にいるんだけど、ちょっと抜けてきた。これ、俺と飲むまで持っていてくれてもいいけど』

と言いながら俺に渡して、『正月でもLINEして』とAはそのまま帰っていきました。

俺が落ち込んでいるのを知っていて、わざわざ好きなワインを用意して家まで来てくれたのだなと思ったら、本当にしみじみとありがたかったです。

親友からこんなプレゼントがあるとは思わなかった俺は、これだけでテンションが上がって寂しさも吹き飛びましたね……。

いつも当たり前に買って飲んでいるワインが、正月にふたりで開けたときは最高に美味しかったです」(男性/34歳/セールス)

彼女とのデートを抜けてプレゼントを届けてくれる友人。

ひとりで過ごすことにあえて触れないのも、優しさに感じますよね。“いつものワイン”でも、こんなタイミングで贈られると特別な味わいになります。