スーパーの帰り道。「抱っこして」とせがむ子どもを抱き上げたら、姑から「甘やかし過ぎだ!」と叱られてしまいました。子どもには“愛情をかけることが大事”と思っているのに、抱っこするのは甘やかしなのでしょうか?
確かに幼児期に甘やかされて育ってしまうと、人として自分の感情をコントロールしたり、我慢することが身に付かなくなります。
すると、相手が自分の思う通り動いてくれないと、どんな手段を使ってでも振り向かせようとするなど、将来、そのつけが回ってきて様々な問題行動につながることもあります。
『「テキトー母さん」流子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話します。
親の勘違い
「私は仕事が忙しくて普段、あまり構ってやれないから」といって、その代わりにと湯水の如く、子どもが望むまま玩具を買い与えたり、まだ小学生なのに高額な小遣いを与えたりしても、子どもの心は決して満たされません。
どうしてかと言うと、子どもが望んでいるのは物ではなく、“ママ”という人間そのものだからです。物を与えたら一瞬、喜びの表情を見せはしますが、それはその時だけで心には空虚感が残ります。
平日、なかなか一緒に遊んでやれないからと、週末が来る度にディズニーランドに連れて行くことなど無理な外出計画を立てなくても、近所のスーパーでお菓子の材料を買って一緒にクッキーを焼いてみる、夕飯のメニューを一緒に考え、一緒に買い物に行き、料理を子どもと作ってみる、こんなことで十分子どもは幸せなのです。
甘えさせることは大事ですが、甘やかしてはなりません。その違いと具体例を考えてみました。
甘えと甘やかしの違い
甘やかしあれこれ
- 子どもが「玩具、買ってくれ~」「お菓子買ってくれ~」と叫んだからといって、買い与える。
- 普段かまってやれない分、小遣いを与えて「これで好きな物買って、家で過ごしていなさい」と言う。
- ゲームや競争で一番になれず怒っている子どもに、わざと大人が負けて勝たせてやる。
甘えさせるあれこれ
- 公園でお友達の輪に入れず泣いている子に「よし。よし。ママと一緒に居たいのね。ママも一緒行って遊んであげる」と言って、子どもの遊びに親もついて行き参加する。
- 道で転んで「痛い、痛い」とママのところへ訴えにきたとき、優しく「痛かったね」と慰めてやる。
- 「一人で寝るのが怖い」と言ったとき、添い寝してやる。
- 「ママ、抱っこ~」とせがんできたとき、抱っこしてあげる。
- 家事をしているとき「見て~見て~」と自分が描いた絵を見せに来たとき、家事を中断して見てやる。
スーパーの帰り道「ママ抱っこ」と言ってくる子を抱っこするのは一見、甘やかしに見えるのですが、子どもがそれを望むのには理由があります。眠い、疲れたなどです。こんなときは甘えさせてやりましょう。
しかし!
実際、スーパーの帰り道は抱えきれないほどの荷物を持っているので、その場で荷物を道路に置いて抱っこするわけにはいきませんよね。
そんなときは頭ごなしに「甘ったれるんじゃない!」なんて叱ってはなりません。「抱っこしてほしいのね。でも、ママの姿見て。この荷物を持ったまま○○ちゃんを抱っこすることは今は出来ないの。お家まで頑張って歩けるかな。お家に帰ったら抱っこしてあげるからね」と言えばいいのです。
そして、その約束を守り、家に帰ってから抱っこしてあげましょう。