リスペクトを込めて『FAKE MOTION』の楽曲披露&コラボパフォーマンスで見せた新たな可能性

以降、さまざまな組み合わせで再び『FAKE MOTION』の楽曲を公開。

まずは信玄明王高校の「花鳥風月-Beauty of Nature-」が、原因は自分にある。の歌唱を支える小泉&長野凌大に、ドラマで部員の真田海を演じていた杢代和人の3人で贈られた。

“俺等だけの美を貫け”という歌詞も納得の、独特の美意識を感じさせるスローで研ぎ澄まされたナンバーに、場内の空気は一気にしっとりと薫って、特に最終公演では全員黒のビジュアルが世界観の濃密度を高める。

続いて、先輩グループ・超特急が演じていた薩川大学付属渋谷高校の「BEAT of ENERGY」をONE N' ONLYが5人で投下。

本家のパフォーマンスを登場時のポーズから完コピする勢いで放ち、部長・島津晃のパートを担当したKENSHINに至っては、島津を演じていたカイのイメージカラーである青に髪を染めるほどの気合の入れようだ。

タカシパートを担当してボーカルを一手に担ったTETTAを、リョウガパートのEIKUがフォローして生歌を途切れさせないワンエン流のアレンジを加えつつ、最終公演では白のビジュアルが薩川のユニフォームにリンクして、さらなる完全再現に。

薩川の絶対的エース・西郷吉之助パートに回ったNAOYAも、曲中、満面の笑みで“超特急です!”ポーズを繰り出して、客席と画面の向こうの双方を歓喜させた。

「先輩たちの曲を歌うのは、何回やっても緊張感がある」とMCで語ってからの後半戦では、吉澤いわく「この2組にしかできない特別なパフォーマンス」に。

EIKUとHAYATOが加わっての「シェイクスピアの恋愛定理」に、大倉と杢代が参加しての「Category」は9月のライブでも披露されたものだが、歌にせよフォーメーションダンスにせよ前回よりも違和感なく自然になじんでいて、さすが「何度も合同リハーサルをやってお互いに教え合った」(長野)だけはある。

それでも、ロマンチックな「シェイクスピア~」を歌うHAYATOの甘い声はレアで、最終公演では黒一色のげんじぶメンバーの中、プレッピーなスタイルのEIKUが一番しっくり感じられるほど。

ONE N' ONLY

一方、「Category」ではTETTA、大倉、杢代による3ボーカルのユニゾンもパワー感充分で、特に最終公演では黒衣装で締まって見える。曲後半の杢代によるキメも、公演が進むごとに堂々たるものに進化していった。

さらに、ここからはTETTAと長野が、KENSHINと桜木がパートを入れ替えての新たなシャッフルパフォーマンスをお披露目する。

原因は自分にある。のピアノロック曲「犬と猫とミルクにシュガー」では桜木のラップをKENSHINが担当するが、声の響きが思いのほか似通っていたのは意外な発見。TETTAがセンターで踊るオシャレなフォーメーションダンスも、いつも以上にハードに見えて、シャッフルの妙を堪能させる。

続いてONE N' ONLYの「Shut Up! BREAKER」では、“強気になってんじゃねぇよ”の台詞を2日目の1部では桜木、最終公演では長野がキメて、客席を色めき立たせた。特に、KENSHINにならって「いくぞ!」と煽り立てる最年少の桜木は実に楽しそうで、今後の新たな可能性を予感させてくれる。

ラストはお互いのデビュー曲を完全入れ替わりでパフォーマンス。

「I'M SWAG」のイントロが鳴り響くと、緊張感たっぷりに原因は自分にある。のメンバーが一人ずつ入場し、杢代が“Look”と合図して、げんじぶではあり得ないダークな世界が展開する。

大倉を筆頭に、挑発的なラップを本家より細かく繋ぐのも彼ららしく、各メンバーがカメラに向ける鋭い目線も普段のライブでは絶対に見られないもの。だが、間奏のダンスに高く脚を上げてターンする吉澤が入ると、一気に上品度が増すのが“げんじぶ”の“げんじぶ”たる所以だろう。

曲終盤、ONE N' ONLYの6人が加わって13人で一列になると、今度は「原因は自分にある。」へ。

いつもの野太いボーカルではなく、繊細な高音で歌いだすONE N' ONLYの慎重な様は前代未聞だが、サビ終わりのキメポーズではREIもKENSHINもカメラに向かってここぞ!とばかりに楽しみまくる。

また、ラップとボーカルの役割分担が比較的ハッキリしている彼らが、細かい歌割で次々と歌い継ぐ様に、“こういうのが見たかった!”と喜んだのは筆者だけではないだろう。

ちなみに、衣装交換しての最終公演では、両グループとも驚くほど違和感ゼロで、互いになりきりまくり。TETTAのニヤリとした笑みにも、いつもとは違う感情が籠っていて、哲学的なONE N' ONLYも案外いいかもしれないと思わせる。