子どもが生まれてから、ちょっとしたことにイラついたり、落ち込んだりするようになっていませんか?
終わらない家事、言うことを聞かない子ども、SNSをのぞけば友人たちが凝ったキャラ弁や素敵な生活の画像をアップしています。
ああ、それに比べて私ってなんてダメなの!
もしかして、それ、「女は家事ができて当然」という日本のスタンダードに縛られているからかもしれません。
今回は、佐光紀子さんの著書『「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす』を参考に、ママたちが楽になる方法を提案します!
ママはなぜイライラしがちなのか?
そもそも、どうしてそんなにイライラするのでしょう?
ママは忙しいいのよ!という声が返ってきそうですが、ここは冷静に、どんな時にイライラするのか、考えてみましょう。
・忙しく帰宅してすぐに食事の支度をしたいのに、子どもがぐずる時
・せっかくつくった食事を子どもが食べてくれない時
・子どもが食事をこぼして、部屋や服を汚す時
・夫が家事を手伝ってくれない時
・洗濯物がたまっている時
などなど、ざっとあげただけですが、こんなところでしょうか。ほとんどの場合に家事が関係していることに気づきましたか?
家事は適度な量ならいい気分転換にもなりますが、ひとたび義務に感じると、どうしても憂鬱になってしまいますよね。
家事をちゃんとやらなきゃママ失格?
ほとんどのママは、“家事をちゃんとやらなきゃ”信仰にとらわれています。専業主婦だけでなく、働くママでさえそうなのです。
自分の母親にしてもらったことを子どもにできないのを苦にするワーキングママは多くいます。
でも、子育ても家事も仕事も完璧にって……無理ですよね。
ですが、なかなか手を抜けない、もしくは手抜きに罪悪感を抱いてしまうママは多いもの。日本の主婦のほぼ半数(48.4%)が、「トイレ掃除は毎日すべき」と考えているそうです。これに対し、そう思っている夫は2割弱。
また、食器を1日3回以上洗う人の割合は、日本では55.5%。イギリスでは27.3%、アメリカでは8.3%、スウェーデンでは7.7%という大きな開きがあります。
佐光さんの本によると、アメリカ人にとっての家事が「なるべくやりたくないもので、できれば外注したいもの」であるのに対して、ほとんどの日本人にとっては、「家事は家庭でやるのが基本」なのだそうです。
佐光さんがインタビューした何組かの日本人夫婦のうち、家事を外注したいと答えた人はひとりもいなかったのだとか。
そして家庭での家事の担い手は、一部をのぞいてほとんどが家庭の主婦ですよね。百歩譲って、妊娠前までは平等だった家事の役割分担は、子どもが生まれるとほぼ基本的にママに比重が移ります。
その結果、「良いママ=家事をちゃんとする」という公式は、誰も疑問にもたないほど浸透するまでになったのです。
さらに、子どものしつけや教育に関しても、第一監督者はママという図式は根強く、たとえばパパが専業主夫をやっていると公言していても、学校から連絡がくるのはまず働いているママの方といった例が、本書では紹介されていました。
世界一凝っている日本の朝食
毎朝の食事に頭を悩ませていませんか?
世界の朝食をみてみると、フランスはカフェオレとクロワッサンだけですし、スウェーデンはヨーグルトやチーズやハムをクラッカーに乗せたものなど、アメリカは冷たい牛乳をかけたシリアルが主流です。
イギリスは卵料理を朝食に出しますが、それとて毎朝判で押したように同じ卵料理。東南アジアにいたっては、家では食べず、屋台に寄って食べたり、テイクアウトしたり。
バランスのとれた食事とはとても言えないものばかりですよね。
こうなると、洋の東西を問わず、朝ごはんに手の込んだものを食べるのは、もしかして日本だけなのかもしれません。
ところで、文部科学省が2006年から推進している早寝早起き朝ごはん運動のウェブサイトの中では、「朝ごはんの内容と学力に相関関係がある」とあります。
が……実際は、朝も夜も屋台での外食が多いシンガポールがOECDの学力調査ではトップなのです。
こうなると、子どもには栄養価の高いきちんとした朝ごはんを食べさせなくてはならない、というのは、事実というより、メディアのイメージ戦略の賜物なのかもしれません。