意外と浅い! ワンオペ家事の歴史

日本人の共通感覚として、あたたかいものはあたたかく出さねばならない、というものがあります。ご飯やおかずが冷めていると怒り出す男性もいますよね。

ですが、この感覚、実はそれほど古い歴史を持つものではないそうです。江戸時代は毎食炊きたてのご飯を食べられていたわけではないので、お茶漬けが主流だったとか。

実は、家事をちゃんとやってこそ主婦の鑑という公式は、比較的最近の日本の傾向なのです。

明治時代の教科書には、現代にも通じる家事に関すること細かな記述が載っています。ただし、それを読んでいたのは高等女学校の女子、当時全国で800人しかいなかった才媛たちです。

彼女たちはゆくゆく使用人を使っての家事監督者になります。つまり、あくまでも女中あってのきちんとした家事が、いつのまにか核家族の主婦ひとりの仕事にスライドしているのです。

提案!レッツ・タブー犯し

家事をちゃんとやらなくてはいけない、ということが思い込みだとわかっても、それを外すのはなかなか難しいと思います。ですが、思い込みを外すには、時には荒療治が必要です。

1週間、家事しないでいられますか?
掃除も料理も洗濯も、すべてアウトソーシング、もしくは夫や他の家族にやってもらうのです。お弁当も、中身はまるまる買ってきて、弁当箱に詰めるだけにするのです。

主婦をしっかりやっている自覚があればあるほど、ものすごいチャレンジだと感じるのではないでしょうか。しかし、あえてタブーを犯してみるのです。そうすることで、いかに家事を義務でやっていたかに気づくでしょう。

実際に1週間家事を放棄してみたママは、子どもに対してほとんど怒らなくなった自分に驚いたそうです。これだけでも、ためしてみる価値はあります。

また、家事を外注することで、今まで無償でしていた家事の値段もおのずとわかり、がく然としたそうです。日本では、食事は家で作る方が安くつきますからね。ただし、それは家にママという名の無料で働くシェフがいるからなのです。

こうして考えてみると、ママがイライラしてしまうことの根は意外と深いということがわかったと思います。

佐光さんは言います。

「家事を楽にする第一歩はまずはお母さんから教わった家事を疑ってみてください。“正しい家事”ができなくてもいいんです。日々の生活が楽になり心の負担がぐんと軽くなる“家事半分術”をおすすめします」

もしもイライラしてしまうほどがんばっていることがあるのなら、それはがんばらなくてもいいことなのです。

子どもに笑顔を見せてあげることが、ママの一番のミッションですから、「がんばらないことをがんばって」みてくださいね。