結婚しても損得が変わらないポイントはここだ!
「住宅購入は引き分け」……家を欲しいと考えたとき、独身者と既婚者の場合、物件の広さが変わってきます。結果として購入物件の価格も差がつきます。返済能力は共働きした夫婦のほうがパワフルですが、結論として言えば独身か結婚か、お金の問題では中立的になります。
「親の介護や相続も引き分け」……独身の場合、数十年後に自分の両親の介護問題に直面し対応しなければなりません。結婚している場合、それぞれの両親の介護問題が生じます。手間が2倍のようですが、2人で対応しますので、実は負担は中立的です。相続の問題も独身で自分の親の相続を受けるのと、夫婦でそれぞれの親の相続を受けるのは、あまり損得は変わりません。むしろ兄弟の有無のほうが影響します。3人兄弟の独身者と、ひとりっこ同士の夫婦なら、相続額は後者のほうが多くなるはずです。
結婚のFP的損?はここだ!
最後にマネープラン上で、結婚した方が大変になるところをチェックしてみます。
「子育てするとけっこうお金はかかる」……結婚後の最大の課題は「子育て」です。子育ての公的支援は拡充傾向にあるものの、出産時にはじまり、子育て費用や学費負担はとても大きなものです。学費だけでも1000万円はかかるといわれており、独身者にはかからないが子育て夫婦にかかる大きな負担として理解しておく必要があります。ただし、子どもがいるうれしさはプライスレスです。
「女性が専業主婦になると家計はかなり苦しくなる」……最近は専業主婦願望が高まっているようですが、結婚退職して専業主婦になることはおすすめしません。男性の年収だけでふたりで暮らすとかなり節約しなければなりません。時間はあっても生活はラクにならないということになります。共働きをして自分の自由に使えるおこづかいを自分で稼ぐ、と考えてみてはどうでしょうか。
こうやって結婚するとお金の問題はうまくいく!
まじめな人が答えれば「結婚はお金の損得とは関係がない!」ということになりますが、結婚がお金の問題であることは間違いありません。どんなに愛情があろうとも、お金の問題を無視していると、経済的に苦しむことになり、不仲が生じます。最後に「結婚とお金の問題の上手な乗り越え方」を3つ紹介しておきましょう。
1.結婚したら家計はひとつにしておく
結婚後もそれぞれのおこづかい制は残しておくべきですが、家計や貯金の状態は共有しておくことが大切です。共働き夫婦だからと別管理にしておくと、長い目でみてうまくいきません。
2.結婚しても基本的に共働きする
損得のところでも述べましたが、共働きでたくさん稼いで、旅行に出かけたり貯金をしたほうが家計はラクになります。独身者が年100万円以上貯めるのは大変ですが、夫婦でがんばればもっとペースを上げることもできます。正社員の場合、出産時にお休みしても会社に戻れることが多く、休職時に諸手当が出ることも。
3.結婚前に借金だけは返しておく(少なくともカミングアウトする)
結婚を考えている人はクレジットカードや消費者金融の借金を返しておきましょう。自分ひとりで作った借金を結婚後に持ち越すことはすべきではありません。少なくともカミングアウトはすべきです。お金の問題で結婚が破談になるのは残念なことですから。
結婚とお金の話についてシンプルにまとめてみました。結婚のお金の問題は結婚式だけではありません。お金の問題は一生ふたりの問題です。これからの長い時間を夫婦で協力して乗り越えていくために、しっかり話し合ってみてください。
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