斉藤「風に負けないで、ブンブン振り回せました」
暗転からデジタルサウンドが押し寄せ、Aqoursでは異色のEDM『Daydream Warrior』へ。本格的なダンスナンバーでキレキレに踊りながら、ボーカルを繋いでいく。
詞の中の結ばれることのない恋人のように、諏訪と伊波が手を握り合っては離れ、諏訪が何度も拳を打ち付ける。2番終わりの間奏では、めくるめくフォーメーションの中でのダイナミックなダンスが圧巻で、息を呑んだ。
伊波が「私たち、輝きたーーーーーい!」と叫ぶと、9人が走って花道に散らばり、疾走感あるロックチューン『スリリング・ワンウェイ』が始まる。
1人1人が熱く歌っては、また走ってメインステージへ。最後も伊波が「行くよベルーナドーム!」「もっとー!」「ラストー!」と煽り続けて盛り上げた。
「カッコイイ楽曲、いかがだったでしょうか?」(小林)、「風に負けないで(旗を)ブンブン振り回せました」(斉藤)といったMCを挟み、松浦果南が列車旅をするアニメMVと合わせてエモさを醸す『HAPPY PARTY TRAIN』。そして、アッパーな『届かない星だとしても』では、クラップで会場が一体となった。
いつの間にか陽が落ちて、すっかり暗くなっていた中、ライブは終盤に。TVアニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』1期オープ二ングテーマの定番曲『青空Jumping Heart』は、ラメ生地で動くたびにキラキラ光る新衣装で、さわやかに披露。スクリーンのアニメとのシンクロパフォーマンスも冴えわたる。
『Wake up,Challeger』では9人が3台のゴンドラに分かれて乗り、観客の近くへ。熱さとクールさが交錯する曲を表情豊かに歌い、逢田の「成長してる、ねっ?」がアクセントを付ける。3台のゴンドラが並んで止まってラスサビとなり、全員揃っての“挑戦者のポーズ”もキマった。
再び動き出したゴンドラで歌ったのは『Aqours☆HEROES』。高速ビートに乗り、「ヘイ! ヘイ! ヘイ! ヘイ!」と拳も振って、9人の笑顔が煌めく。花道に戻って、キャスト同士で動きの掛け合いもしながら、にぎやかさを醸し出した。
MCでは、7周年プロジェクトとして地元・沼津でのファンミーティング開催など数々の告知があり、「ライブはあと2曲」ということで1人1人があいさつ。
白い息を吐いて、寒さと観客への気づかいを口にするキャストも多かった中、5thライブではしんみりしていたという小宮は「まだまだ勢い止まらず走り続けられたら。もっともっと楽しいことをたくさんするぞ」と語った。
また、逢田は「懐かしい楽曲を歌わせていただいて、2年半前と同じ曲でも感じ方が違ったかなと。時間が経つごとに曲も成長しているんだなと思いました」と話していた。
そうしたMCを受けて、いよいよ大詰め。ピアノからのバラード『涙×』はしっとりと聴かせる。昨年発売のベストアルバムに収録された新曲で、“心がひとつになった時代を忘れないでとつぶやく”といった詞が、この時世にやっと開催されたライブで染みる。
ラストは『WONDERFUL STORIES』。もともとTVアニメ2期の最終回の挿入歌で、伊波の元気な歌い出しから始まり、希望に溢れるAqoursの王道ソング。
だが、“気がついて 光があるよ”や“いつかまたはじまるんだよ”といった詞には今だから感じるものもあり、逢田が話したように曲が成長したのかもしれない。