でもひとりの”宮澤佐江”としてグループの外から、もっと言えば外国からAKB48を見つめ直した時に、歌でもダンスでも、「自分で自由にできる時間こそ自分を輝かせられる時なんだ」、そういう時間を使わないのはもったいないなって思うようになったんです。

もっと皆さんの目を引くようなことをしたら、自分がきっかけで「おぉお、なんだコイツ?こんなヤツAKB48グループにいるんだ!」って、日本でも海外でも、もっともっといろんな人に私たちのことを広められる機会があるんじゃないかな。まわりを引き立てながら自分も輝くことが、今の自分ならできるんじゃないかなって。

――それはきっと、佐江ちゃんがずっとAKB48にいたら思い至らなかったことですよね?

ほんと、その通りだと思います。上海に移籍してAKB48の初期の頃のようなSNH48メンバーの姿に刺激を受けて、汗だくになってダンスを教えて、客席からお披露目公演を見て涙して。現地のイベントやバラエティーにも出演して。

AKB48についても再度見直してみて、次世代の子たちのことも考えて……ステージから離れている間にいろいろ感じたものがあるから、気付くことができた。だから総選挙にも、絶対に出ようと思ったんです。

例えばAKB48で次世代といわれている子たちは、SNH48の子たちもそうなんですけど、私より見せ方は、はるかに上手です。アピールの仕方とか、写真1枚にしても動画にしても、自分をかわいく見せたりすることがすごくうまい。でも大きい会場でパフォーマンスとして見せるんだったら、どうかなって。

モニターに映っていない時、引きで見た時に、その子を見つけられるかも大事。AKB48の将来を考えると、そういうことが今、足りていない。私は大きい会場でも通用するようなパフォーマンスを、ちっちゃいところから7年間、続けてきました。

SNH48の子たちとも、どうしたらいいパフォーマンスができるのか、ガチンコ勝負してきました。それは自分に自信を持っていいし、今のAKB48で必要とされていることだと思います。

――去年の今頃の佐江ちゃんとは、視点というか、立ち位置が……

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