「2歳児」自己主張との戦い

そういえば、ムスコが2歳を過ぎてから徐々に、育児をキツく感じることが多くなっていた気がします。

1歳の頃とは違って自己主張が出始めたムスコは、細かい事でも癇癪を起こすことが増えました。

朝のトーストの焼き加減が違うだけでギャン泣き。
保育園に行く道がいつもと違うとギャン泣き。
「早く行こうよ~」と手を引くと振り払ってギャン泣き。

オヤツが無くなるとお皿を投げ、TVを消されると大声で叫び、お気に入りのオモチャをなくすと他のモノに八つ当たり。

「きんちゃんダメー!」「きんちゃんソレやめて!」「きんちゃん投げないの!!」と、その都度ワタシも注意するのですが、火に油を注いでいるだけで、ムスコは「いーーぎゃあああぁあ!」と余計に泣き叫ぶ始末。

そんなことが毎日何十回も繰り返され、怒ってばかりの自分にもムスコの癇癪にも辟易していました。

――もう、子どものやることに全部つき合ってたらイライラしてキリがない。ある程度はテキトーに流そう。じゃないと、いつかワタシがキレちゃうかもしれない――

そう思った時から、ワタシは自分の感情にフタをしてムスコと向き合うことから逃げ始めていたのかもしれません。

 

ムスコが夕飯をバーンとひっくり返しても「あ~もう…」と注意せず自分で片づけ、
オモチャが気に入らなくてギャン泣きしても「はいはいはい」と口先だけで対応し、
逆に、遊ぼうとせがまれても「ママ今いそがし~の~」「ちょっと待ってね~あとでね~」とスルーしたりしていました。

今思えば、急に距離を置いたストレスが原因でムスコの癇癪の頻度が増えていたのに、ワタシは自分がキレないようにと更にムスコと距離を取ってしまい、負のループに陥っていたんです。

 

すやすやと寝息を立てるムスコの寝顔を見つめながら、ワタシはとても後悔し、このままじゃいけない、もう二度と叩くもんかと心に決めました。

でも一体なにをどうしたらいいんだろう…。

 

100%は無理でも

数日後、ムスコの保育園からお呼び出しの電話がきました。

バタバタと迎えに行くと、ワタシを見つけるなりガバっと起き上がり、一直線で駆け寄ってきたムスコ。

「きんちゃんママ来たらあっという間に泣き止んだね~!やっぱりママ大好きなんだね!」

保育士さんの言葉を聞きながら、ワタシをギュウ―っと抱きしめるムスコの手の力の強さにハッとし、不意に肩の憑き物が取れたような気持になりました。

――そうか、子どもはいつだってママのことが大好きなんだった。だとしたらワタシがスルーしてた時、ムスコはどれだけ寂しかっただろう…――

それからワタシは、ムスコのアクションに対してスルーするのをやめ、毎回100%じゃなくてもいいから声かけしたり、注意したり、教えたり、褒めたり…関わりを持つことに意識をむけることにしています。

もちろんストレスは溜まりますが、「ああ…ヤバイ、ちょっとイライラしてきた」と思ったら、その時にはムスコをギュ―――っと抱きしめて、愛情を再確認。

「きんちゃん可愛いね~ママはきんちゃんのこと大好きだよ~」と呼びかけると、ムスコもニコ~っと笑って背中にまわした小さな手をポンポンとしてくれます。
もちろんムスコが抱っこを求めてきても同じように抱きしめて、二人でポンポン。

ムスコの癇癪にも、前より冷静に接することが出来ている気がします。

 

まだまだ年内にやらなきゃいけないことはてんこ盛りで、ムスコの鼻風邪も全然治らないし(汗)、きっとイライラすることは今後たくさん出てくる予感がしますが、そんな時こそ、深呼吸して、ムスコをギュ――っとして、ポンポンして、どうにか笑って年を越せたらいいなと思います!

 

つづく

 

 大手出版社から単行本を数冊発表し、現在は休業中の(元)漫画家。アシスタント業をメインにしながら、主婦業とお母さん業でも大忙しの毎日。夫である鈴木妄想とオタクトークで燃え上がるのも日課。息子の笑顔と各国アイドルのPVを見て癒されている。

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