親の帰宅時間により、夜ふかしをしてしまう場合

続いては、親が働いている場合。仕事で帰宅時間が遅いなどで、どうしても子どもも合わせざるを得なくなり、夜ふかし気味になってしまうことも。

そのような家庭はどうすればいいでしょうか。

秋山「一番おすすめなのは睡眠アドバイザーなどに相談し、睡眠のメカニズムのレクチャーを受け、夜のルーティーンや朝のルーティーンをできる範囲で生活の中に組み込んでいくこと。それが改善への近道となります。

ただし、それが簡単ではないこともあるでしょう。その場合はまず、夕食やお風呂の時間帯を変えてみるということから取り組まれると良いでしょう。

質の良い睡眠を得るためには、夕食やお風呂を就寝の2~3時間前に済ませ、眠るためのエネルギーを消化活動に使わせないことや、体温の管理が非常に重要となります。また、人は寝るまでに体温を下げていき、眠りにつきます。

入浴は寝る60~90分前に済ませ、十分に放熱させて体温を下げる時間を設けてから布団に入るということをポイントにおきましょう。この2点だけでも意識して実践するだけで睡眠リズムが整いやすくなり、睡眠の質の向上も期待できます」

自然と起きられる!朝に強い子になるには?

今ある問題の解決と共に、ぜひ取り組みたいのが、将来的に朝に強い子にしてあげること。どんな方法があるのでしょうか。

秋山さんは、5つのポイントを教えてくれました。

朝に強い子になるポイント

1.起床時間を毎日同じ時刻にする

2.朝起きたら、すぐに1分以上日光を浴びる

3.朝ごはんを食べる

4.夕方以降は強い光を避ける(店舗の光やブルーライトなど)

5.お風呂上がりは、1時間以上経ってからから寝る

秋山「寝る時間よりも、朝起きる時間を同じにすることを意識しましょう。これにより、コルチゾール分泌のタイミングを身体に教えることができます。

起床後、すぐに日光を浴びることで、体内時計のリセットができます。朝ごはんも睡眠リズムを整えるのに大切。特に睡眠ホルモンの材料となるタンパク質は必須です。

夕方以降は強い光を避け、メラトニンの分泌を促進させましょう。先ほども述べた通り、寝る前に体温を下げることにより自然な眠気がきます」

日常のちょっとした何気ない行動が、睡眠に影響しているかもしれません。朝起きられないのはもちろんのこと、子どもの睡眠に何らかの悩みを抱えている家庭は、参考になりそうですね。ぜひトライしてみましょう。

【取材協力】秋山 信子さん

一般社団法人こども睡眠カウンセラー協会 代表理事
三女の睡眠障害をきっかけに、独自メソッドを開発。発達障がいや起立性調節障害などの深刻なケースのこどもたちも睡眠プログラムにより全員が改善。