お金の「そうなんだ!」「本当?」といったいろんな知識をファイナンシャル・プランナーのヤマサキさんが紹介します。今回は「デートで割り勘かご馳走にするか決める簡単なルール」です。デートで全額負担しない男はダメとよく言われますが、実際のところどうなのでしょう。お金の専門家であるファイナンシャル・プランナーはこう考えます。
 

デートで割り勘にするか、男性が負担するかは永遠の難問

デート(あるいはデートに持ち込む前の食事)をしているとき、割り勘にするか、男性が負担するかはよく議論になるテーマのひとつです。恋愛指南的には男性の度量を示すチャンスとされることが多く、またご馳走されることが女性を口説く口実になるともいわれます。

恋愛術や恋の駆け引きは永遠の難問ですから、ここではあまり追求しません。むしろここでお話ししてみたいのは「お金の専門家としてファイナンシャルプランナーは、どう考えるか」です。

割り勘か、男性だけが負担するのがいいのか、さてどちらでしょう。
 

女性視点で考えると、ご馳走されると損をすることもある?

女性視点で考えたとき、ご馳走されれば確かにうれしいでしょうが、よほど経済力の格差がない限り、つきあっている男性は何度もあなたをデートに誘ってご馳走することができません。この点がファイナンシャルプランナーとして気になる、経済的な問題です。

全額を男性に払わせ続けると、実は自分が楽しいデートの回数を何度も楽しめなく恐れがあります。また、結婚を意識している交際相手であれば、男性にデートの費用負担を一方的に押しつけていると、男性も結婚資金を貯める余裕がでなくなります。これも深刻な問題を将来に招きます。

割り勘にするのではなく、男性が全額負担するのが作法とされていたのは、明らかに男性のほうが女性より所得が高く、費用負担において有利な状況にあった時代の名残です。ある意味、男女差別が残っていた時代の風習ともいえます。今、あえてそんな時代の因習を守らなくてもいいのではないか、とも思います。

もちろん、男性より女性のほうが身支度にコストを掛けますから、その分を回収する程度の負担を求めてもいいかもしれません。また、恋は駆け引きですから、自分に男性がお金を払ってくれることを楽しむのも一興でしょう。しかし、単に「タダでデート」と考えるのではなく、男性に負担を求める影響はどこかに出る、と考えておいたほうがいいと思います。

一見するとご馳走してもらうことは、最高のコストパフォーマンスのように思えますが、実は自分のデートの満足度を下げてしまう、つまりコスパが悪い部分もある、と考えてみてください。割り勘にすれば、もっとグレードの高いご飯に行くかもしれませんよ(ご馳走してもらうと、男性が2人分出すので予算が限られてしまう)。あるいは、もっとたくさんデートを楽しめるかもしれませんね。
 

photo credit: Alex Akopyan via photopincc