金銭面で計算ができる

「32歳で結婚し、妊娠したのは36歳のとき。夫は会社での立場が安定してきた頃で、私は在宅で仕事を始めたタイミングでした。

高齢出産なので周囲からは体力のほかにお金の心配もされたけど、夫の収入が先を読めること、私は個人事業主として自分のペースで仕事を進められること、計算が立つため特に大きな不安はなかったです。

若い頃なら夫ひとりの収入に頼っていたはずで、それよりは今の状況でよかったなと思います。

ただ、産後の体のしんどさが思ったよりつらく、これは年齢のせいだと思いましたね…」(45歳/個人事業主)

30代後半は、キャリアが安定して年収が落ち着き、その後の動きも予測できる頃ではないでしょうか。

20代前半でまだ収入が少ないと、今後の計算が難しいこともあります。

子どもができなかったことで老後に向けた貯蓄を進めていた家庭もあり、金銭面で不安がないことは高齢出産の大きなメリットといえます。

一方で、実感するのはやはり体力の低さ。

「産後の肥立ちが悪い」「子どもの遊びに長時間ついていけない」など苦しいときもありますが、筋トレするなど体作りの意識を高める機会にしたいですね。

若いママたちとも価値観の違いを楽しめる

「39歳で出産しましたが、保育園は若いママさんばかりでした。

ママ友と呼べる年下の友人もできましたが、楽しいなと思ったのが、いろいろな考え方や価値観を知れたとき。

私の子ども時代と今では子育てについての感覚が違っていて、『自分がこうだったから』と、どうしても厳しいしつけに走りがちな私と『食べ物の好き嫌いなんて無理に矯正するほうが危険』とゆったり構えるママ友と、いい意味でギャップがあります。

年齢が離れていれば家庭の状況を比べるようなこともなくて、それよりいろいろな情報交換ができて若いお母さんたちのやり方に学ぶことも多く、ギスギスしない子育てができています。

ただ、ちょっとつらいのが娘に『お母さんだけ老けてる』と言われること。メイクやファッションも前向きに楽しんでいきたいですね」(44歳/金融)

高齢出産で女性が気にするのが、周りのママたちとの年齢差ではないでしょうか。

子どもから見れば自分だけ年をとっているのが申し訳ないとも思いますが、子どもがいるからこそ知り合える人たちとのつながりは、年齢に関係なく大切だと感じます。

ギャップはいい刺激であり、自分にはない視点を知ることができるのは楽しいもの。

無理に若作りして周囲についていこうとするより、自分なりの年相応を楽しめるのも、高齢出産ならではといえます。