ライフワークバランスの考え方
ワーキングマザーは、家族・子どもとの時間も自分の趣味の時間も欲しいようです。でも、仕事や家事も大切。これらのバランスはどのように取るのがいいでしょうか。
山中「いわゆる“ライフワークバランス”のお話かと思います。これは、単に両方のバランスを取ったほうがいいという意味ではありません。
『ライフの責任とワークの責任をどう取り扱うか?』ということだと思っています。
あえてバランスにこだわらないこと。バランスを取らないといけないなどと思うから、偏ると不満が出てしまうのです」
山中さんは、次のように例を挙げます。
山中「例えば“ワークワークバランス”で働く時期があって職場で認められることも、自分の働き方に融通を聞かせるためには必要です。
キャリアもきちんと積みたいなら、忙しい時期にはワークの責任をしっかり請け負う覚悟も持つこと。職場で同僚から応援される人は、仕事をきっちりやって認められようと努力している場合が多いのです。
子どもが小さいときはライフの責任が大きいので、保育園や家族に手伝ってもらうことでワークの責任を増やすことになります。ライフの責任もワークの責任も両方を増やしたいというならば、スーパーウーマンになるか睡眠時間を削るしかなくなりますね。
バランスを取ろうとするのではなく、『どちらの責任からも逃げない』と考えて何をするのか選んでいきましょう」
自分の趣味の時間を取ってもいい?取る方法は?
子育て中、自分の趣味の時間を取るのはどうしても後回しに。それでも自分の趣味などの時間を取りたいときはありますよね。これについては、どのように考えるのがいいのでしょうか。
山中「車はガソリンがあるから動きます。一日のうちに自分の好きなこと、自分を元気にする時間も必要です。
安心して自分の時間を作りたいなら、家族や一時保育なども頼ること。
自分が元気でいるために時間を作ることや、お金を払って安心できるサポートを受けることは、決してもったいないことでも悪いことでもありません。
自分の子どもにこう言えたらいいですね。『大人になるのは楽しいのよ』『子どもがいても自分のことを大切にして、あきらめずに人生は生きられるのよ』と」
ワーキングマザーにとって、仕事も子育ても家族みんなのことも、そして自分の趣味も全部が大事なこと。今の時間短縮ばかりに目を向けず、未来への投資によっても時間は創出されることが分かりました。
そしてすべてのバランスを取ろうとするのではなく、どの責任からも逃げずに、自ら必要なことを選んでいくことがポイントといえそうです。
【取材協力】山中 真理子さん
転勤族の妻で静岡、東京、大阪、横浜と引越しながら、各地で子育て支援グループを立ち上げ全国に2,000名のママ会員を作る。現在は時間マネージメント講座をオンラインとリアルで開講し、ママの自分時間作りを応援している。
<参照>
ワコール「ワーキングマザーの時間に関する意識調査」
シチズンホールディングス「ワーキングマザーの生活時間」