日々、子どもや夫のことでストレスを感じ、イライラしてしまうことはありませんか? 忙しいワーキングマザーは、家族と過ごす時間が十分に取れず、一人で悶々としているかもしれません。

でも、そんな忙しいママでも、スピーディーにイライラや八つ当たりなどを減らすことができる方法があるのです。それは、今話題の「マインドフルネス」。

マインドフルネスと聞くと、「瞑想」というイメージがありますが、よくある座禅を組んで行う瞑想だけでなく、もっと簡単に数分でできる方法もあるのです。

そんなマインドフルネスの中でも、普段の行動の中で素早く簡単にできる、忙しい方向けの方法を、日本マインドフルネス普及協会を会長であり、精神科医の奥田弘美先生に教えていただきました。

マインドフルネスって何?

まずはマインドフルネスについて知っておきましょう。奥田先生は次のように話します。

奥田弘美先生(以下、奥田)「マインドフルネス瞑想法はインドのブッダを発祥とするもので、現代では医療やビジネスの領域で活用されている方法です。集中力を高めたり、メンタル疾患の治療をしたりとさまざまな効果が認められています。

アメリカのGoogle社がリーダーシップ研修にこのマインドフルネスを取り入れていることは一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

医療で治療のために用いられているマインドフルネスは時間がかかったり、やり方がむずかしかったりと、忙しいママが取り入れるにはなかなかむずかしいところがあります。

そこで忙しい人でも気軽に実践できるマインドフルネスをご紹介しましょう。私自身、2児の母であり、精神科医と執筆家業という多忙な日々の中で無理なく実践できたものです」

マインドフルネスの効果って?

奥田先生によると、一般の人が行うマインドフルネス瞑想には、次の3つの効果が期待できるのだそうです。

  1. 思考を休め脳と心の緊張を取る休息効果
  2. ストレス思考から離れ、心の安らぎを取り戻す効果
  3. 自分と他人を慈しむ広く安らかな心を育てる効果

奥田「強い怒り、イライラ、悲しみ、ショック、不安、後悔、妬みといった強烈なネガティブ感情や思考が頭から離れないときには、まずその思考に“気づく”ことで距離をとることが大切です。

自分が幸せであるためには、自分の家族や友人の幸せや環境の平和が欠かせません。

マインドフルネス瞑想を行い、自分の心が穏やかで慈しみ深くなればなるほど、周りの人々にもゆっくりと波及させていくことができます」

イライラする前に!朝・昼・晩のマインドフルネス

まずは自分の心を穏やかにすることが大切。

そこで早速、ワーキングマザーにおすすめの、生活の中で実践できるマインドフルネスを、朝・昼・晩のシーン別に教えていただきましょう!

朝、鏡の前で!「笑顔ストレッチ瞑想」

1. 深呼吸を2~3回して気持ちを整える。

2.「口角を動かします」と心の中でつぶやいてから口角をゆっくり上げる。
このとき他のことを考えずに、口角が上がっていくときの皮膚の動きや筋肉の感覚にじっくり意識を集中させる。

3.口角を上げたまま、「目を細めます」と心の中でつぶやいて、両目をゆっくり細め、笑顔をつくる。このときも目の周りの筋肉に力が入ったり、皮膚が引っ張られる感覚に意識をできるだけ集中させる。

4.2と3の表情を2~3秒キープしながら、顔面の筋肉、表面の感覚をじっくりと味わう。

5.心の中で「顔をゆるめます」とつぶやいてから筋肉の緊張をゆっくりとほどく。

奥田「笑顔は科学的にも脳をスッキリ活性化させる効果が期待できることが実証されています。一つ一つの顔面の筋肉や皮膚の動きに意識を集中させることでマインドフルネス瞑想効果が生まれます。

イライラから離れやすくなるとともに脳をポジティブにする効果も期待できます」