通勤時に!「歩行瞑想(ナチュラルスピード)」

1.進行方向へ視線を向けて、一定の速度・リズムでしっかり深めに呼吸しながらリズミカルに歩行する。

2.「右(の足裏がついた)」「左(の足裏がついた)」と感じながら、左右の足底が地面に着いたり、離れたりする感覚をじっくり味わいながら歩く。

3.何か別の思考や考えが浮かんで来たら、「考えが浮かんだ」「思考した」と気づいて、足裏に感覚を戻す。

奥田「必ずしも心の中で『足裏がついた』とつぶやく必要はありません。足裏がついた感覚をしっかりと感じましょう。

余計な考えがなくなって心が落ち着いてくるでしょう。そうすればアイデアや問題への解決策がポーンと思いつくこともありますよ。

また長時間のデスクワークの方は、下半身の血流が悪くなっていることが考えられます。心臓に血液を押し返すポンプ役である下肢の筋肉を動かすことで全身に新鮮な空気がたっぷりと行き渡り、頭や体の疲労回復を促す効果も期待できます」

寝る前1分!「数息瞑想」

1.ベッド(敷布団)にゆったりと仰向けに寝る。

2.目を閉じて両手は身体の横にリラックスして沿わせる。

3.おへそから下腹を意識して、ゆっくりとふくらませながら鼻から息を吸い込む。

4.お腹がふくらみきったら、ゆっくりとお腹をへこませて空気を鼻腔から吐き出す。

5.3~4の深い呼吸に合わせ、「い~ち」「に~」「さ~ん」「し~」と10まで数を数えながら行う。

6.10まで数えたら、また1に戻る。

奥田「意識はできるだけ呼吸の流れに向け、『鼻腔→肺→お腹』に空気が入ってお腹がふくらみ、お腹がへこんで息が出ていくのを感じます。

悩みごとに意識が飛ぶなどして数が分からなくなったら、また1から繰り返して数えましょう」

いずれも、忙しいワーキングマザーの方が手軽にできそうな方法ですよね。朝・昼・晩と一日三回、効果的に行えるのも、習慣化できるポイントです。

ストレスやイライラ、疲れを感じたら、生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。

【取材協力】奥田 弘美(おくだ ひろみ)先生 プロフィール

精神科医(精神保健指定医)、日本医師会認定産業医、作家。1992年山口大学医学部卒。日々、多数のビジネスパーソンの心身ケアに携わるなかで、マインドフルネス瞑想がストレスケアに大きな効果を持つことに気づく。有志とともに「日本マインドフルネス普及協会」を立ち上げ、日本人に合った方法を研究。わかりやすい実践法を伝えている。