仕事や子育てに精一杯で、自分の体のケア、後回しになりがちではないですか?

病気とまではいかないけれど、なんとなく疲れやすい、冷えやすい…そんな慢性的な体の不調、いま注目されている「毛細血管」と関係があるかもしれません。

子育てママ世代の体調不良と毛細血管の関連について、『毛細血管で細胞力は上がる: エコノミークラス症候群の第一人者・橋本洋一郎の5つのメソッド 』の著者である、熊本市民病院首席診療部長・橋本洋一郎医師に伺いました。

こまめに手足の筋肉を動かすことで、冷えの改善へ

―からだの「冷え」には毛細血管が大きく関わっているのですね。

橋本洋一郎先生(以下、橋本)「基本的には、冷え症は皮膚表面の血流不足、毛細血管レベルの血流低下が原因であると考えられます。

人間のからだは酸素とブドウ糖を取り込んでエネルギーを作っていますが、体温を一定に保つために、かなりのエネルギーを使います。血液を温めて全身に回しているわけで、冷えるというのは、その末梢の毛細血管の流れが悪くなっているということです。

ではそれをよくするためにはどうするか、ということになりますが、全身の血流を毛細血管レベルでよくするには、『からだを使う』ことが一番のポイントです。からだの筋肉を動かすと、筋肉がポンプになって血液を循環させるのです。

心臓から出た血液は全身をめぐり、毛細血管までいきます。そして、筋肉を使うことによって静脈から心臓に血液を戻しています。そのため、デスクワークなどでじっと動かないでいるとその流れ(静脈還流)が悪くなり、冷えてしまうのです。

『冷えるのは体質だから仕方がない』とあきらめているような人も、動いているときには冷えません。ですから、座っているとき、横になっているときなどにも筋肉を使う、特の足の筋肉、冷えているところを使うようにすると、毛細血管の血の流れがよくなります。

エコノミークラス症候群の予防のための運動として、つま先を立てたり、手足をブラブラさせたり、足先を動かしたり、といったものがありますが、こうした動きは静脈還流をよくします。

ちょっとした時間でできて、血のめぐりがよくなり、血栓ができにくくなりますし、末梢の冷えなどの問題も解決できる可能性があります。

ネットで『エコノミークラス症候群』と検索すると、予防のための足の運動とかが出てきますから、そういった運動を参考にするといいかもしれません」

イライラすると血のめぐりが悪くなり不調の原因に

橋本「また、若い人たちの疲れやすい、冷えるなどの原因には『ストレス』も考えられます。