交感神経の指令が、毛細血管の血流を左右する(『毛細血管で細胞力は上がる』より抜粋)

イライラすると交感神経が働いて、前毛細血管括約筋(上図参照)が締まり、毛細血管への血流を減らしてしまうのです。

ですから、イライラして疲れやすくなったり、冷えるというのは十分起こりえます。

心理的なストレスや、熱い・寒いなどさまざまなストレスによって筋肉が収縮し、血の流れが悪くなり、痛みの物質が出たり、頭痛やめまいがしたり。

肩こりの主な原因はストレスですが、肩がこるとすごく疲れますし、イライラしてばかりだと身体が消耗してきます。

一方で、交感神経の緊張で戦闘モードになると仕事がはかどるため、イライラという切り札は、いざというときのためにとっておくとよいでしょう。

肩がこる人は、それがストレスのバロメーターになります。だから、肩のこらない生活をしていくと、体調がよくなるかもしれません。

また、姿勢をよくすること、完璧主義を捨てることも大事です。何でも完璧にやろうとすると、交感神経が緊張して疲れるのと、毛細血管での血のめぐりが悪くなりますから、7~8割でこなすぐらいがおすすめです。

メンタルのコントロールは、毛細血管レベルの血の流れに非常に重要なんです。メンタルの部分がうまくいってないのに、むやみにサプリメントなどに頼るのはどうか、というところがあります。

楽しいことを考えて、ちょっとリラックスして、その一方で手足の筋肉をこまめに動かしてみる。そういったことで交感神経の緊張がとれ、細動脈から毛細血管の血流も増えますから、疲れや冷えなどの症状はだいぶ減っていくのではないかと思います」

毛細血管を傷つける習慣は、からだ全体にダメージを与える

毛細血管はとてもデリケートで、紫外線や強い刺激、活性酸素などの悪影響を受けやすいんですね。

橋本「直射日光に当たり過ぎるのもよくないですし、ツボ押しなどを含め、強すぎるマッサージもダメージを与えます。

毛細血管は再生しやすい反面、傷つきやすいので、バシバシ筋肉を叩いたりするのはよくありません。毛細血管や細胞がダメージを受けるようなことは、なるべく避けたほうがよいでしょう。

激しい運動もよくない面があります。軽い運動をすると、活性酸素をとる物質ができますが、逆に激しすぎる運動をすると活性酸素が増え、毛細血管や細胞に損傷を与えます。

健康のためには、早足で少し息が切れる程度、散歩ぐらいの軽い運動がよいでしょう。

血のめぐりをよくして体調をよくする基本は、たばこを吸わないこと。いろいろな毒物が入っていますし、血管も収縮し、活性酸素ができて細胞がやられてしまうので、体調が悪かったらまずは禁煙です。女性で吸っている方は少ないですが、それでも9%ほどいるのです。

それから、太らないこと。痩せすぎでも寿命が短くなるといわれますが、太ると活性酸素が発生して老化しやすくなったり、がんにもなりやすくなり、よくありません。

あとはイライラしないこと、それから、お酒は1日に、ビールで中瓶1本、ワインだと2杯位まで。こういった、当たり前のことが大切だと思います」

そのほか、毛細血管をケアするための詳しい方法は毛細血管で細胞力は上がるに紹介されています。

ぜひ、毛細血管を元気に保って、ベストな体調を維持し続けたいですね。

ライター/女子栄養大学 食生活指導士1級。学生時代からさまざまな体調不良に悩まされたこともあり、健康的な生活習慣について学び始める。現在は専門家を中心に取材活動を行い、おもに食、健康、美容、子育てをテーマにした記事を発信。乗りもの好きな1男の母でもある。