子どもは保育園では身支度などを一人でこなしています。
一方、時間に追われるワーキングマザーは、何でも合理的にパパッと育児をこなしたくなります。すると「ママがやった方が早い!」と、子どものすることに手を出しがちです。
結果、“せっかち母さん”と化し、更に保育園とは真逆の“過保護ママ”になってしまうことがあるのです。
その現象について『1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のすすめ』の著者の立石美津がお話しします。
保育園では何でも自分でやっている子ども達
筆者は保育園で仕事をしています。
集団生活の場、例えば3歳児クラスは園児20人に対して担任保育士1名です。大勢の子どもがいるので、保育士が一人一人にぴったり付いてやれません。
子どもが8~10人もいる大家族で、それぞれが自分のことは自分でやり、家事分担しているのと同じ感じかもしれませんね。
保育園でも子ども達は「先生に頼れないぞ」と感じるのか、しっかりしてきて何でも自分でやろうとする良い習慣が付いているように思います。
具体的にはこのような光景です。
- お昼寝の時、布団を自分で敷こうとしている
- お散歩の前の着替えで、ジャンバーのジッパーを上げ、靴下を履く
- 自分のオムツを自分で取ってくる
- 鼻水が出たら自分でかむ
- 食べ終わったら、食器を下げる
- 飲み物をこぼしたらテーブルを拭く
しかし!「家に帰ってからも同じようにやっているか」というと、そうでもなかったりします。
せっかく自分で何でもする習慣が保育園で付いているのに、なぜ家ではやらないのでしょう?
保育園と家庭で違う子どもの態度とその原因
ワーキングマザーは帰宅後も時間との闘い。子どもを過保護にしているつもりはないけれども、常に時間に追われ「私がやったほうが早く片付くわ」と思ってしまい、子どもが自分一人でできることまで手を貸してしまいがち。
また、子どもも日中、親と長時間離れているため、たとえ自分でできたとしても「ママに甘えたい」と思っています。その表れとして「ママやって~」となることがあり、親子のコミュニケーションの一つとして親もそれに応えてしまっていませんか?
たとえば、朝の1時間でママがやらなくてはならないことといえば……
- 朝食を作る
- 朝食後の食器洗い
- 洗濯物を干す
- 掃除
- 夕食の下ごしらえ
- タオル、着替えなど子どもの保育園のカバンの中身の準備
- 出勤前の身支度(着替え・メイクなど)
子どもを幼稚園に通わせている専業主婦の場合は、子どもを園に送り届けたあと自宅に戻り、前述のことをゆっくりとこなせばいいのですが、そのまま会社に向かうママはそういう訳にはいきません。
これらの大量の作業を朝の僅かな時間でこなします。
子どもと一緒に一旦、家を出たら夜まで帰宅することはないので1分1秒、時間との闘いです。