子どもが大きくなり自立すると、ふたたび夫婦ふたりの時間が訪れます。

子育てや仕事が一段落したそのタイミングで「卒婚」を考える熟年夫婦が増えていますが、完全に夫婦関係を解消する離婚と比べると、夫と妻、ふたりの間にできる溝が小さいのが特徴といえます。

「卒婚」とはどんなものか、離婚との違いを詳しくご紹介します。

夫婦の「卒婚」ってどんなもの?「離婚」との違い

離婚のような大変さを避けられる

たとえば夫婦が30歳のときに産まれた子どもが、社会人となり28歳で結婚、完全に自立すると、ふたりの年齢は58歳になっています。

仕事は定年が間近で生活も落ち着いており、子どものいない静かな時間が訪れるタイミングで選ぶのが「卒婚」です。

字の通り「婚姻関係を卒業する」のが卒婚であり、戸籍上は夫婦の形が続く点が離婚との大きな違い。

籍を抜く離婚となると、財産分与や遺産の相続で揉めたり世間体の悪さが気になったりとネガティブな影響が大きいですが、卒婚はそんな煩わしさを抱えることなく、配偶者と距離を取ることができます。

離婚はまずどちらかが家を出る必要があり、それだけでも大変ですが、卒婚の場合は夫婦が同じ家に住み続けることも普通で、いわば同居人のような存在として生活を続けられます。

配偶者の不倫やモラルハラスメントなど、もう夫婦としていられないような強い嫌悪感がなく、離婚までは考えられないときに選ぶのが卒婚なのですね。