夫と妻、ふたりの同意で決まる形
夫婦のどちらか一人だけが「卒婚しよう」と思っても、配偶者が受け入れてくれないと喧嘩に発展し、それがきっかけで熟年離婚を選ぶケースもあります。
年を取ってからの離婚はその後復縁する可能性は低く、子どもとのつながりも別々で持つことになります。
離婚の場合、配偶者が抵抗しても家庭裁判所の離婚調停や裁判などで話を進めますが、「卒婚」はあくまでも夫婦ふたりが同意して選ぶ形です。
「夫婦それぞれが物理的・心理的な距離を取ることをOKとする」点が、離婚とは違うのですね。
これからどんな生活スタイルにしていくか、これまでと変更になるのはどんな部分か、話し合いで決めていきます。
お互いの意思を尊重して生活する
離婚を選ぶと成立すれば相手は他人になり、極端にいえば元配偶者の影響を受けることはなくなります。
「卒婚」は離婚のようにきっぱりと縁を切る形ではなく、
・同じ家に住み続けるが、掃除や食事などはそれぞれが自力でやる
・今までのように配偶者の世話を焼く必要はなく、自分の面倒は自分で見る
・お出かけや旅行などの遊びは自分の好きなタイミングで決められる
・趣味や楽しみの時間に没頭できる
・別居する場合でも、用事がない限り連絡はしない
など、「存在は近いがお互いに干渉せず暮らす」ことが前提です。
完全に気配が消えることはないので多少でも影響はありますが、それを受け入れられる心の余裕が必要といえます。
夫婦それぞれに「こうしたい」という相手の意思を尊重する姿勢があって成立するのが「卒婚」です。
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