東京ディズニーシーが目指しているのは「原点回帰」か

ピクサー・パルズ・スチーマー ©Disney / Pixar 撮影 / MezzoMiki

言うまでもなく「ディズニー」と言えば、ミッキーマウスを始めとした、映画やアニメーションの世界が題材。

映画の世界は感情移入がしやすく、連携したイベントやアトラクションなどをプロモーションすることによって、よりその世界観が楽しめる相乗効果もあります。

そうした中、ますます映画の世界観が広がっていく東京ディズニーシー。

単に「映画の宣伝のためのテーマパークになっていくの?」…と言う声も聞こえてきそうな気もします。

しかし、ただ単にそうした部分だけではなく、今後の東京ディズニーシーの方向性と言うのは、実は「原点回帰を目指している」のではないでしょうか。

「第二テーマパーク構想」はもともと映画パーク案だった

…遡ること30年、1988年(昭和63年)の東京ディズニーランド5周年の年。

この時、既に現在の東京ディズニーシーとなる、「第二テーマパーク構想」が発表されていました。

当時の開発にも関わった、現オリエンタルランド代表取締役会長兼CEOの加賀見俊夫氏の著書、「海を超える想像力」によると、当初の第二テーマパークは米ディズニー本社側からは「映画の世界を主体としたテーマパーク構想」の提案がありました。

しかし、当時はまだ日本には映画文化が根付いているとは言えませんでした。

その案について、東京ディズニーランドを日本に誘致した第一人者、当時のオリエンタルランドの代表取締役社長だった高橋政知氏が、それを頑なに拒否した、と書かれています。

その構想からちょうど30年が経過。…時代と歴史は大きく変わりました。

インターネットの普及やIT環境の進化により、誰でも動画配信サイト等で気軽に映画に触れる事が出来る様になりました。

この30年の時間は、日本にも映画文化を浸透させるには十分な時間だったのではないでしょうか。

これまで「遊園地」と言われてきたものに「テーマパーク」という異なる概念を導入し、世界に誇れるテーマパークに成長してきた東京ディズニーリゾート。

高橋氏を始めとする、多くの方々の強い想いが創り上げた礎。

その上に、初心や原点へ回帰する事で、更なる「次世代のテーマパークへの進化」が始まった…と言えるのかもしれません。

第二テーマパーク構想発表から30年。

ちょうど節目の年に大きな変革を迎えたのは偶然ではないのかもしれません。

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