『茨城県産豚のヒレカツサンド』も絶品!

「『茨城県産豚のヒレカツサンド(450円)』も食べてみてください。私はヒレカツ好きなもので、ロースではなくヒレカツサンドを作りました」

【La Maison du Pain KURIHARA(ラ・メゾン・デュ・パン クリハラ)】「麦の香り食パン」を用いた「茨城県産豚のヒレカツサンド」

脂身が少ないヒレカツは、「ガツン!」という食感も味わえる。卵サンドの卵には、クリームパンにも使っている奥久慈卵を使用。マヨネーズの使用量を極力おさえることで、奥久慈卵の甘さが強調されていた。

パンは後述するが、「麦の香り食パン」を使っているとのこと。

今日は食べられなかったが、「揚げたて茨城県産ヒレカツサンド(1800 円)」もメニューに掲げている。

どんな料理なのか、シェフに説明してもらおう。

注文ごとにヒレカツを揚げ、サンドイッチに!

「さばきたての県産豚ヒレ肉に奥久慈卵、自家製生パン粉を付けたものを注文後に揚げ、『麦の香り食パン』でサンドイッチにしています」

コロッケサンドの名店、東銀座の肉屋『チョウシ屋』では注文後、コロッケを揚げ、パンにはさんでくれる。同様に、水戸のこの店では注文ごとにヒレカツを揚げ、サンドイッチにしてくれるというのだ。

【La Maison du Pain KURIHARA(ラ・メゾン・デュ・パン クリハラ)】「麦の香り食パン」。砂糖不使用にも関わらず、自然な甘さに舌が驚くはず

ヒレカツサンドなどに使っている「麦の香り食パン(一斤400円。写真は二斤)」をそのまま食べてみた。耳もクラスト(皮)もサクサクで甘みがあり、麦の香りがした。シェフによれば、砂糖はいっさい使っていないとのこと。

「甘ったるくないでしょ(笑)、自然な甘さですよね。クセがないので素材とあわせやすいと思います。パンにマヨネーズで下味をつけ、キュウリをはさむだけでおいしいサンドイッチになります」

トーストにするなら2センチ厚に切り、軽くキツネ色にトーストにするといいとシェフは教えてくれた。

【La Maison du Pain KURIHARA(ラ・メゾン・デュ・パン クリハラ)】拙宅にはトースターがないので焼色こそ美しくないが、サクサクで皮までおいしかった

「バターを塗るだけでおいしいと思います。バターの味わいを感じつつ、サクッとモチッと食べられます。お試しください」

そのまま食べたときとは異なる甘みがあった。モチモチ感よりもサクサク感が強調され、食感が心地良かった。

 最後にもうひとつ、ショートバゲットのサンドイッチを紹介する。

「茨城ロースハムとマリボーチーズのカスクルート(450円)」だ。

【La Maison du Pain KURIHARA(ラ・メゾン・デュ・パン クリハラ)】「茨城ロースハムとマリボーチーズのカスクルート」。ミニバゲットがうまいので、サンドイッチにすると数倍おいしくなる

サクサクで、噛みごたえがあるバゲットがハムやチーズのおまけになっていない。口のなかでそれらが渾然となり、甘みと香りが一体になる。

このパン屋には、都内では味わえないパンと料理が用意されている。

そういう意味で、わざわざ出かける価値があると断言できる。

せっかく足を伸ばすのであれば、パンを買って帰るだけでなく、店内で焼きたてのパンを食べ、チーズバーガーか、「こぼれる3種チーズのクロックムッシュ(1800円)」も味わってきたい。

揚げ物好きとしては、次回はカツサンドを食べるつもりだ。

食事をするならコーヒーも一緒に頼みたい。地元ひたちなか市に本店がある『サザコーヒー』のコーヒーを提供してくれる。

【La Maison du Pain KURIHARA(ラ・メゾン・デュ・パン クリハラ)】広大な敷地に店舗と駐車場スペースがあるので、ドライブがてらおいしいパンを食べに行けるのが嬉しい

【La Maison du Pain KURIHARA(ラ・メゾン・デュ・パン クリハラ)】

住所/茨城県水戸市笠原町1373-1
電話/029-291-7775
営業時間/10時(土日祝日9時)〜19時 定休日/水曜 駐車場あり

東京五輪開催前の3歳の時、亀戸天神の側にあった田久保精肉店のコロッケと出会い、食に目覚める。以来コロッケの買い食いに明け暮れる人生を謳歌。主な著書に『平翠軒のうまいもの帳』、『自家菜園のあるレストラン』、『一流シェフの味を10分で作る! 男の料理』などの他、『笠原将弘のおやつまみ』の企画・構成を担当。