私、「ミラチャイ」でも何回かお話してきましたけど(第14回「宮澤佐江がSNH48コンサートで感じたこと&中国語スピーチ反省会!?」ほか)、上海に行ったらとりあえずダンスの振りとか初歩から全部やり直して、AKBイズムを叩き込もうと思っていたんです。でも中華圏、大陸や台湾の人を指導する場合には人前では怒らず「なるべく褒めて、気持ちを上げていくことが大事」なんですって。

――たしかに、中華圏には第4回(【会食のマナー】まさかの事態!? 次から次へと食事が出てきて、食べきれないよー!)で会食のマナーを取り上げた際にも話題に上りましたが、すごく面子(メンツ)を重んじる文化がありますよね。

そうらしいですね。実際に指導の現場にいらっしゃる中島監督のお話を伺っていなかったら、そのまんま後輩たちを怒鳴り続けていました……。だから「これはやり方を変えよう!」と思って。結局SNH48のことにしても何にしても、自分だけではできないんだなぁ。

――というと?

人にはそれぞれのタイプがあるじゃないですか。周りから何を言われても自分の思う通りにやっていく人とか、人から聞いた意見の通りにする人とか。でも私はいろんな人の意見を聞いて、それを自分のものとして飲み込んで、というタイプなんだって気付きました。「怒っちゃいけない」って聞いたら「じゃあどうやろうかな」って考えてみたり。ただ怒らないだけじゃダメだろうし、締めるとこは締めないと。

――欠点を修正せずにただ持ち上げるだけでは、厳しい見方をすれば“進化”は望めませんからね。

だから重要なのは「どう伝えるか」なんだと思います。

最初にSNH48を指導した時、私がすごく怒っているのに、通訳さんがどう見てもそのまま訳してくれていなかったんですね。それがちょっとストレスにもなっていたんですけど、いま考えてみれば、あれは通訳さんが「怒っちゃダメ!メンツをつぶしちゃダメ」っていうのを分かっていて、やわらかく言い換えてくれていたんだな、と。通訳の方にも、あの時は辛い思いをさせてゴメンナサイって謝りました。日本流、AKB流が、いつでもどこでも正しいワケじゃない。大切な「伝え方」を見直すきっかけを与えてくださった中島監督には、ものすごく感謝しています。

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