妊娠中に不安はつきもの。特に初めての妊娠となるとなおさらですよね。

「1人目の子の時は悪阻がなかったのに、2人目の子の時には悪阻が酷かった」等のように、妊娠は、毎回が同じでもなければ、人それぞれまったく違うもの。

そのため、少しでも不安を解消するために、できるだけ多くの情報を集めて安心したいと感じるものですが、その集めた情報がもし嘘だったら?

実際、約9割の産科医が、インターネット上の情報や母をはじめとする周囲の人間から伝達された真偽か定かではない情報に課題を感じていることが先日、(株)リクルートマーケティングパートナーズが公益社団法人日本産科婦人科学会協力のもと行った、「産科医」及び「妊産婦」が対象の、妊婦を取り巻く妊娠出産に関する情報の意識調査で分かりました。

今回は、その調査結果の発表や産科医と精神科医、及び『ゼクシィBaby 妊婦のための本』 編集長を招いたパネルディスカッションにて挙がった、妊娠中から知っておきたいNG常識についてご紹介します。

必ずしも母親や義母のアドバイスが正しいわけではない

初めての妊娠、初めての出産、初めての育児となると、どうしても母親の先輩にあたる実の母親や義母の知識や経験が、正しいと思って参考にしがち。

しかし、日本赤十字医療センター第三産婦人科部長『笠井靖代』先生によると、祖父母世代と今の世代の子育て事情や情報は異なっているとのこと。

例えば、昔は体力をつけるために妊婦はどんどん食べた方がいいと言われていたが、その後、体重は増やしすぎない方がいいという指導に変わりました。

現在では体重の増加を気にするばかり子どもが低体重児で産まれてくる可能性が高くなったり、将来こうして生まれた子どもが生活習慣病になりやすいともいわれているので、過剰な体重制限もよくないとのことなのです。

このように、祖父母世代に言われていたことが、今の時代で正しいわけではないことを予め納得しておくといいでしょう。

子どもが可愛く思えないのは、本人の責任ではない

妊娠中には想像もしなかった、産後のあらゆる不調。体のことだけでなく、心にも。

『ゼクシィBaby 妊婦のための本』 編集長 尾花 晶さんによると「モニターアンケートでは、出産後、約6割の女性が、わけもなく悲しくなったり、自信がなくなってしまうなどの心の不調を感じたことがあったと答えていました」とのこと。

このような心身不安定な状態にもかかわらず、「頑張らなきゃ」と思って無理に自分を奮い立たしたり、「母親になったんだから、しっかりしなさい」という周りからのプレッシャーがあったり、子どもの誕生を周りが喜んでいる分、自身の不調を相談できないまま、余計に不調が悪化してうつ状態になってからでは遅いのです。

「“子どもが産まれて嬉しいはずなのに、可愛く思えない”そんな気持ちになるのは、決して本人の責任ではなく、ホルモンバランスが崩れてそうなってしまっていることを、予め知っておくといいですよ」と笠井先生。

自分のことは自分でと思いすぎず、周りのサポートをしっかり受けることも今必要なことなのです。