少人数制の塾は2タイプある
——それでは、少人数制の塾はどうでしょうか? イメージとしては、大手塾と個別指導の間をとっているようにも見えますが。
石田「ひとクラスの人数が多い大手塾よりも、一人一人に対しての面倒見が良いという部分があると思います。大人数だと圧倒されてしまう子どもや、逆に個別指導だと緊張して萎縮してしまう子どもに向いていますね。
ほどほどに仲間もいるけれども自分のほうだけを見られすぎない、という程よいイメージです」
——そう聞くと、少人数制の塾はメリットが大きいように感じますが、デメリットはどのようなものになるのでしょうか?
石田「少人数制の塾のデメリットは、馴れ合いが起こりやすいという部分です。クラスの昇降がないことも多いので皆で和気あいあいという雰囲気になりやすく、学力の高い子どもは同レベルの競争相手が少ないことで“井の中の蛙”状態になり向上心がストップしてしまうこともあります。
中学受験は競争の側面が大きいので、競争が多少あったほうが向上心はついていきます。
少人数制の塾においてまったく競争が起こらないというわけではないですが、競争相手が少ないことで『周囲を見て自分自身を向上させる』ということが難しくなる可能性はありますね」
——同じ少人数制でも、そもそも一定以上の学力がある子しか入塾させない「少数精鋭型」の塾もありますよね。
石田「そういった塾はひとクラスの人数が少なくとも、先に話したいわゆる少人数制の塾とは少し違う傾向があります。
大手塾はひとクラスの人数が多いがゆえに、少々集中力を欠いたりぼーっとできたりしてしまうところがあるのですが、少数精鋭系の塾の場合は目が行き届いているがゆえに、そういった態度もすぐに指摘されてしまうという緊張感がありますよね。
大手塾の上位クラスよりも厳しいと感じる子どももいるかもしれません」