「僕はいわゆる非正規雇用で収入が低く、何とか生活はできているけどお金に余裕があるとはとてもいえない状況でした。

そんな僕と二年くらい友達として接していた女性がいて、『私は収入とか気にしないから』と告白してくれて、交際が始まりました。

最初の頃は、彼女が僕の家に来て食事を作ったりお泊りしたり、おうちデートが中心でもすごく楽しくて幸せでしたね。

ただ、彼女の誕生日とかクリスマスとかイベントになるとやっぱり豪華なことができないので、『ごめんね』と謝ることが多かったです。

彼女は『気にしないで』と言うけどテンションが低いときもあって、これじゃいけないとアルバイトでもしようかと考えたこともあります。

別れを決めたのは、夕飯の買い物に行く途中でたまたま彼女の友人と会ったとき。

『これから彼氏と食事に行くの』と話す友人に、彼女は『いいなあ。私なんて今から食材買って作らないといけないから大変』と愚痴っぽい口調で言いました。

僕の前ではそんなこと口にしたことはなくて、初めて見る姿に『ああこれが本音なのか』とショックを受けました。

友人のほうは僕をちらりと見てすぐ去っていき、『こんなデートでごめんね』と思わず言ったら『仕方ないでしょ』と彼女のため息をつかれ、この瞬間に別れようと思いましたね。

収入が少ない僕が悪いという気持ちがあるからこそ、彼女とは付き合えないと思ったのですが、告白してくれたときに『収入とか気にしない』と言ってくれた姿が思い出されて悲しかったです。

別れようと言ったら彼女はあっさりOKして終わりましたが、今でもこの交際がトラウマです」(30歳/製造業)

収入が低いと確かに交際は大変な面が多いですが、他人の前で彼女の本音を垣間見るのは本当につらいなと思います。

覚悟して付き合ってみたけれど思っていた以上に苦しかった、という彼女の気持ちも想像できますが、彼氏の前でそれがわかるような振る舞いは避けるべき。

工夫と当人の気持ちしだいで楽しく過ごせるのが交際の良いところのはずで、それが叶わない彼女だったのは残念ですね。

プロフィール:37歳で出産、1児の母。 これまで多くの女性の悩みを聞いてきた実績を活かし、 復縁や不倫など、恋愛系コラムライターとして活躍中。「幸せは自分で決める」がモットーです。ブログ:Parallel Line