毎回、作詞は悩みます。今回の新曲も何度も書き直しました
――デビューから3年経ってライブパフォーマンスもどんどん進化していますよね。
黒崎「やっと最近、余裕が持てるようになったんですよ。デビュー当初はステージ上での記憶がなくて、自分が予備電源で歌っているような感じでした。歌って、動いて、決められたMCをして帰る、という感じ」
――そうだったんですね。デビュー当時から堂々としていましたが。
黒崎「緊張しているようには見えないって言われていたんですけど、実は……なんです(笑)。慣れてきたのは去年の終わりくらいからですね。最近はライブのちょっとしたハプニングも、それがその日バージョンなんだって思えるようになって、自分もライブを楽しめるようになりましたね」
――そうやって黒崎さんご自身も楽しめたライブツアーが、まさに今年の4月に行われた『MAON KUROSAKI LIVE TOUR 2013“VERTICAL HORIZON”』だったわけですね。
黒崎「そうですね。名古屋と大阪はワンマンライブをやるのが初めてで、会場にも初めての方がたくさん来てくれたんです。「来てくれて嬉しい」って言ってもらえたのが本当に嬉しかったですね。ライブツアーはその場所ごとに雰囲気やノリがぜんぜん違うので新鮮で楽しかったです」
――そんなに違うものなんですか?
黒崎「そうなんです。たとえば大阪だと『たこ昌』っていうすごく有名なCMソングがあって、それを歌えない人はいないくらいなんですよ。それで、関西出身のベーシストのブランカさんが挨拶のときに歌ったら、会場がその日一番じゃないかくらいの盛り上がりを見せて(笑)。次は絶対に覚えて歌ってみせる!って決意しましたね」
――地方ならではのノリって面白いですね(笑)。さて11月6日(水)には新曲となる『X-encounter』が発売されます。こちらはアニメ『東京レイヴンズ』のOPテーマですよね。これまでの黒崎さんの曲とはまた違う印象のデジタルサウンドに仕上がっています。
黒崎「ええ。今回はI'veの高瀬一矢さんに作っていただきました。レコーディングは『I've』さんのスタジオがある北海道まで行かせていただいたんですが、すごくスムーズに進行しましたね。何度か歌って、何箇所か録り直して終わり、みたいな」
――普段はもっと時間がかかることも?
黒崎「ものによっては時間がかかるんですけど、今回はキーが適正だったのと、あとはリズム感とかノリが大事なので、一気に歌うってことを重視していただけたのかなと思いましたね。ただ、今回歌詞も書かせていただいたのですが、そっちが難しくて……」
――なかなか出てこなかった?
黒崎「毎回、作詞は悩むんですよ。どういうキーワードを入れるとそのアニメらしさが出るのかとか、キャラクターの気持ちを歌うのか、それとも客観的に見た私の感情を歌うのか……特に今回は、最初英語をたくさん入れていたのですが、やっぱり日本語でいこうということになって何度も書き直しました」
――その苦労の分、すばらしい曲に仕上がりました。
黒崎「ありがとうございます。私も気づくと完成した『X-encounter』を何度も聴いています(笑)」
――ライブでやるのも楽しみですね。デジタルサウンドですが、これをバンドサウンドで聴いてみたいです。
黒崎「確かにバンドだとまた変わりますよね。まだライブでどんな感じになるのかは見えてないんですが、みんなと一緒に作り上げていけたらいいなと思っています」