最終回の視聴率が42.2%だった『半沢直樹』の後番組として注目された木村拓哉主演の『安堂ロイド』(TBS系日曜9時)。初回は19.2%とまずまずのスタートだったが、2話では15.2%まで視聴率が下がり、内容的にも賛否両論が巻き起こっている(視聴率はビデオリサーチ社調べ・関東地区)。

『安堂ロイド』は、100年先の未来から大切な人を守るためにアンドロイドが現代にやってくるというラブストーリーだが、アンドロイドが登場するドラマは定期的にあって、最近では2010年の『Q10』(日テレ系土曜9時)や2008年の『絶対彼氏』(フジ系火曜9時)もそうだった。

ということで、今回はこの3作品を比較しながら、アンドロイドの描かれ方の特徴を探ってみよう。

 

前田敦子や速水もこみちもアンドロイド経験者

 『安堂ロイド』に対する代表的な批判意見として、あの映画にそっくり、あの漫画の設定そのまま、というのがある。しかし、それをオマージュと捉えるか、パクリと考えるかは人それぞれだ。

ただ、アンドロイドが登場する作品は、思いっきりフィクションに振り切れているはずなのに、なぜか設定が似通ってしまう傾向は確かにある。とくに時空を移動する設定も含まれる場合は、ベースとなる学術的理論が同じせいか、そのことで起きる問題や解決方法が同じになってしまうことも多い。

では、どのあたりが似てしまうのか、まず『安堂ロイド』『Q10』『絶対彼氏』に登場するアンドロイドの基本設定から確認しておこう。

『安堂ロイド』で木村拓哉が演じるアンドロイドの型番はARXⅡ-13(エーアールエックス・セカンド・サーティーン)。攻撃型ロボットの試作機で、2113年から送り込まれている。柴咲コウが演じる安堂麻陽の命を守るようにクライアントから依頼されていて、麻陽を殺そうとするアンドロイド(未来から来た警察の機体)を迎撃している。顔は、クライアントの要望によって、麻陽の婚約者・沫嶋黎士の外見になっている。

ちなみに、アンドロイドというのは、もともと男性の人型ロボットのことで、男性も女性も兼ねる場合はヒューマノイドと言ったりする。しかし、このあたりは作品によって表現がいろいろで、『安堂ロイド』では男性も女性もアンドロイドで統一しているようだ。

2010年に放送された『Q10』では、前田敦子がヒューマノイドを演じていた。2080年からやってきた女子高生の人型ロボットで、この作品ではアンドロイドではなく、単にロボットと呼ばれていた。型番はQ10(キュー・イチゼロ)。足の裏に型番が書かれていて、佐藤健が演じていた深井平太がその文字を見て「キュート」と名づけた。

 


2080年でも治らない病気はあり、死を覚悟した人を一番戻りたい過去に戻す会社が存在しているというのが『Q10』の設定。しかし、人間が時空を超えるのはとても過酷なことなので、その会社では代わりにロボットを過去に戻し、その人が見たかった映像を送り続ける仕事もしている。Q10はそういう目的で2010年にやってきたロボットで、依頼者は死を間近に迎えた平太の奥さんだった。自分が出会う前の平太を見てみたいという要望で、Q10が高校時代の平太の映像を送り続けている。

顔は、その奥さんの若い頃の写真をもとに作られていて、最終回では若き日の奥さん(前田敦子が二役)も出てくる。『安堂ロイド』のクライアントは、2話時点ではまだハッキリしないが、現代にいる人物の顔をアンドロイドに貼り付けるという設定は『Q10』と同じだ。