不倫を描くこと=結婚を描くこと
こやま先生:中身のない不倫の話にしたくなかったんですよね。取った取られたとか、ドロドロの。
不倫を描くというのは、つまり結婚を描くということなんですよね。
結婚とはなんだろう? 夫婦ってなんだろう? 安定を求めて結婚するのに、どうして浮気しちゃうんだろう? そういったないものねだりをしているときに、ふっと落とし穴に落ちるんですよね。
普通は「相手が不倫したらどうしよう」って思いますよね。でも、あなたも落とし穴に落ちるかもしれない。誰でも可能性があるんですよ。
そこからの、夫婦の再建ものがたりなんです。純平も浮気するつもりなんて全然なかったし。
中村:里奈はすごいうまかったですもんね。あんな狡猾なことされないと、ならないですよね。
編集さん:里奈ほど食い込まない人だったら、純平は浮気しなかったんでしょうね(笑)。
中村:そうなんですよね! 今もなんか突き放せないでいるというか……。
編集さん:ちょっと怒ってらっしゃいます?(笑)
中村:ちょっと怒っています(笑)。バカなのか!!って。
こやま先生:狙い通りです(笑)。確かに、純平は優しいんですよね。私も、「男の人って~~!」って思いながら描いているんですよ(笑)。
中村:あの状況で料理を作る理由がどーのとか言われて、メール返さなきゃ!とか……。でもなるんですよね……。
編集さん:「クリームシチュー事件」(笑)。
こやま先生:でも男性と話をしていると、男性って基本、女性を邪険にできないみたいなんですよね。
編集さん:男の人は一回好きになった女の人のことは忘れないですよね。女の人は一度嫌いになったら、もう頭の中に出てこないみたいですね(笑)。
中村:じゃあ、純平は里奈のことがまだちょっと好きなんですかね?
編集さん:完璧に嫌いになれないから、無理な欲求を受け入れているんですよね。あと、心がすごく疲弊しているので、断ち切るエネルギーもないというか。
中村:流される方が楽なんですか?
編集さん:そうでしょうね。クリームシチューを食べられなかったのに、なんであんなに謝ってるんだろうと(笑)。
こやま先生:あんなの女性だったらゴミ箱に捨てますよね(笑)。
中村:着拒です。
“不倫”に対するインターネットと現実の温度差
こやま先生:でもリアルに会う男性からは、純平を悪く聞いたことはないんですよ。「純平許してやってよ~」って。ネットには怒ってる人がたくさんいますけれど(笑)。
現実に聞く意見と、ネットの意見だと温度差があります。ネットに書くほどの人はみんな怒っているから、そういう意見ばっかりが集まってるように見える。でも現実にはそうじゃない人たちもいるんですよね。
本当は、世間で騒がれている不倫に対しても、「いいんじゃないの」とか「他人のことはどうでもいい」って思ってる人もたくさんいるんじゃないかな。
中村:最後に、読者の方へメッセージをお願いします。
こやま先生:それぞれのキャラクターや想いに、ちゃんとした落としどころを考えています。今、「キーーッ!!」と怒っている読者の方にも、納得してもらえるようなラストを描きたいと思っています!
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こやまゆかり先生、編集のみなさま、貴重なお時間をいただき、どうもありがとうございました!
めちゃくちゃに感情を揺さぶってくる作品『ホリデイラブ~夫婦間恋愛~』。かなり前のめりになって質問してしまいましたが、こやま先生には終始笑顔で対応していただき、漫画とともにさらにファンになってしまいました。
3月16日(金)にはドラマ最終回が放送。私もオンタイムで視聴を楽しもうと思っています。