一新したエビフライも感動的な味わい

【洋食入舟】 絵になる逸品「天使の海老 海老フライ」

「メニューも曽祖父が厨房に立っていた頃と同じですが、僕が継いでから食材を一新しました」

たとえば「海老フライ」の海老。長年ブラックタイガーを使っていたが、ニューカレドニア産の天使の海老に変えた。

【洋食入舟】 尾を切った天使の海老に、生パン粉をつけて油で揚げる

「天使の海老 海老フライ(1480円)」を作ってもらった。

パン粉はもちろん生パン粉。野菜をのせた皿に揚げたてのエビフライを盛りつけ、自家製タルタルソースを添えれば完成。

【洋食入舟】「天使の海老 海老フライ」はタルタルソースも美味しかった

熱々を食べた。ニューカレドニア産の海老は甘くてジューシー。

カリッと揚がったその身に、タルタルソースをつけて味わった。ミソが詰まった頭から下処理を施した尾っぽまできれいに完食。

タルタルソースも絶品で、お代わりができるし、大盛りが可能なのもありがたい。

おいしい料理を庶民的な価格で提供している

クリームコロッケもロールキャベツも770円。ビーフシチューは1650円。

曽祖父の時代、花街の洋食屋だった時代は敷居が高かったかもしれない。けれど、いまは庶民的な洋食屋として人気を評している。

【洋食入舟】 2階一番奥にあるこのテーブル席は会合などに使われる機会が多いそうだ

取材を終え、原稿を書いていても松尾さんが作ってくれた料理が舌から離れない。松尾さんに電話をして、あることを頼んだ。

「レシピの取材ですか。喜んでやらせていただきます」

『洋食入舟』で受け継がれてきた洋食屋のレシピを、4代目松尾さんに教えてもらえることになった。乞うご期待。

でもその前に、洋食好きにはぜひ食べに行って欲しい。嬉しいことに、昼も夜も同じ価格で食べさせてくれる。

【洋食入舟】

住所 / 東京都品川区南大井3-18-5

電話 / 03-3761-5891

営業時間 / 11:30~13:30LO(14:00)、17:00~20:30LO(21:00)

定休日 / 日曜

東京五輪開催前の3歳の時、亀戸天神の側にあった田久保精肉店のコロッケと出会い、食に目覚める。以来コロッケの買い食いに明け暮れる人生を謳歌。主な著書に『平翠軒のうまいもの帳』、『自家菜園のあるレストラン』、『一流シェフの味を10分で作る! 男の料理』などの他、『笠原将弘のおやつまみ』の企画・構成を担当。