「復縁が前提の別れ」は執着ばかりが育つ
上記のケースでは、女性は自分が男性に依存していることを自覚していませんでした。
「別れるって、相手の気持ちや状態に依存していればできないのではないですか?」と女性は尋ねますが、「復縁が前提だと想像できる、ここで別れても次に自分が連絡をすればこの人は受け入れてくれる、とわかっていて別れを選ぶのは依存だと感じます」と答えると考え込みました。
依存状態とは、自分が向ける気持ちのベースに相手からの関心があり、「それがあるから好きだし、ないのであれば好きじゃない」と相手の在り方に左右される自分を当たり前にすることです。
本当に男性と縁を切りたいとは思っていないから別れた数カ月後に自分から連絡をしているわけで、そこには「受け入れてもらえる」という安心感がどこかにあります。
それがなければ、復縁が叶う想像できなければ、別れを全力で否定して恋人関係を続けられるよう問題の解決と向き合うはず。
別れることは関係を終えること、だから終わりたくないと思えば仲直りのために自分を変える努力をし、お互いの在り方を見つめ直す力を持てます。
それを避けても関係がふたたび成立するのが依存状態にあるふたりですが、自分の気持ちを素直に伝える勇気がなく、また相手のありのままの姿を受け取る力もないため、我慢したりひねくれたりが続き結局はまた衝突します。
相手が素直にならない姿を見れば自分も正直に本心を口にするなんてできるはずがなく、相手にも関係にもあたたかい愛着を感じることができず、最終的に迎えるのはまた「復縁が前提の別れ」です。
好きなのにうまくいかなかった自分ばかり残ると、それを相手のせいにして何とかしてほしくなり、愛情をねだります。
よりを戻すとわかっていて別れるような状態では、「この人が好き」という自信ではなく「この人に何とかしてもらわなければ」という執着ばかりが育ちます。