平さんとの「ひらひらコンビ」エピソード
――撮影現場では、空き時間に平さんと「ひらひらコンビ」 というユニットを組んでコントを披露されていたようですね。
「あ~、ひらひらコンビですね。忘れてた~(笑)」
―― 映画のエンドロールにもその様子がちょっとだけ映っていましたけ ど。
「本当ですか?『平野で~す』『平で~す』『ふたり合わせて、 ひらひらコンビで~す』っていう、 ただ自己紹介だけして終わる謎のコントですけど、 やっていましたね(笑)。 一発芸とかも謎にやらされました。
しかも、 撮影現場があまりワイワイしていないときに振ってくるので、 僕がひとりだけすごくふざけてる奴みたいに見えて(笑)。
でも、 それでスタッフさんたちも笑ってくれて、 現場が明るくなったので、あれは平さんのおかげだな~ といまは思っています。でも、今後はやる機会はあるんですかね? 僕はできるだけ、やりたくないんですけど(笑)」
映画に出てくる女子のなかで、平野さんの好みのタイプは?
――『honey』には奈緒ちゃんのほかにも、クール系のかよちゃん(水谷 果穂)や人づき合いが苦手な雅ちゃん(浅川梨奈)といったさまざ まなタイプの女の子が登場します。 平野さんはどの子が好みですか?
「平野ですか? ウワ~どうだろう?(ちょっと考えていきなり)中山忍さん!」
――鬼瀬くんのお母さんですね。
「年下の僕が言うのもすごく失礼な話ですけど、包容力があるし、 落ち着いた感じがして、すごくカッコいい大人の女性ですよね。 好きというよりも、憧れに近いかもしれません」
――落ち着いた女性が平野さんの好みなんですね。
「はい。僕がホワホワしているので、 忍さんのようなしっかりされている女性には憧れます」
――忍さんご本人ではなく、映画に出てくる女の子の話ですよ(笑)。
「あっ、そういうことか~(笑)。え~、誰だろう? 僕、クールな女性も意外と好きかもしれないので、 そうするとかよちゃんかな。でも、明るい子も好きなので、 選べない。みんなそれぞれによさがあるし。
今日も東京の街並を見ながらこの取材場所に来たけど、 世の中には可愛い女の子はたくさんいるな~と思いましたから。 でも、しっかりしつつも気が合う人がやっぱり理想です。
それと、 あまり怒らない人がいいですね。怒る人は怖いです」
平野さんが苦手なタイプの女性
――怒る女性ってどんなイメージなんですか?
「常にカリカリしている方っていらっしゃるじゃないですか。 そういう女性はちょっとイヤだ(笑) 。あと、言葉遣いが汚くない方がいいですね。
何かを食べたときに『ウッマ』とか『ウッメ』 みたいなことを言う子はちょっと苦手ですかね。『美味』か『 美味しい』のどっちかにして欲しい(笑)」
――「美味」はありなんですね(笑)。
「はい。『美味』はいいですね」
――ポイントは言葉遣いと……。
「怒らないこと」
――それを満たす理想の女の子が現れたらどうしますか?
「結婚を前提にするかどうかはちょっと分からないですけど、 好きになっちゃうかもしれないですね」
――自分から告白するタイプですか?
「僕ですか? えっ、どうだろう? でも、僕から言いたいという気持ちはあります。実際、 言えるかどうかは別にして、やっぱり告白は男から、 というイメージがあるので。だから、そうですね。 僕からしたいです」
――鬼瀬くんのあの潔さはカッコいいなって思います?
「うん。カッコいい。演じているときは、“えっ、 将来のことまで言っちゃうんだ?”って思いましたけど(笑)」
――平野さんもそれぐらい好きな人が現れたら、 ちょっとやってみたい?
「ちょっとどころか、100パーセント全力でやってみたいです( 笑)」
――映画の話に戻りますが、一生に一度の初主演映画を『honey 』で飾ったことに関してはどのように思っていますか?
「自分の記念となる初主演の映画が『honey』でよかったなと思っています。 楽しく撮影ができましたから」
演じる前と後での心境の変化
――演じながら迷ったり、 悩んだりしたことも多かったと思いますが、 演じる前と後とで心境の変化はありました?
「人の気持ちを考えるようになりました。僕、 あまり感情がなかったんですよ。でも、『honey』の撮影が終わってからは、 映画を観てけっこう泣くようになったんです」
――それまでは、映画を観ても入り込めなかったということ?
「そうなんですよ。映画を観ても、 周りの人たちはなぜ泣いているんだろう?ってよく思っていたし、 母親がテレビの映画を観て号泣しているときもなんでそんなに泣くのかな? と思っていたんです。
でも、 この撮影が終わってから観た映画では自分も号泣しちゃったので、 “あれ? なんか主人公に共感しているぞ”と思って。些細なことすけど、 そういうことがありました」
――でも、平野さんにとっては、それは大きな変化ですよね。
「そうですね。本当に感情がなかったですからね。 人前で泣くのも恥ずかしかったし、人前で泣いたこともほぼない。 そうなんですよ。 家族の前とかでも泣いたことはほぼなかったんです」
――ちなみに、そのときに流した涙は悲しい涙ですか? 嬉しい涙ですか?
「両方ですね。ベッドで観ていたんですけど、 ベッドの下が水たまりみたいになっていて。“あれ? 泣いてんじゃん、俺。泣けるようになったじゃん” って感じでしたね」
――感情が分かるようになったのは、なぜだと思いますか?
「『honey』の撮影で、 感情を動かされる場面に何度も何度も遭遇したからじゃないですかね。
映画は順撮りではなく飛び飛びに撮るから、 台本でいまからやるシーンの前のシーンを確認して、“あっ、 ここでこんなことがあったんだ。じゃあ、 こういう感情でやらなきゃ” ていうことを考えてから現場に臨みますよね。
それで、 このシーンの前にはこういう出来事があったから、 こういう表情にしよう、 こういう切ないイントネーションやニュアンスで言おうと思うよう になって。
そういう作業を続けていたから、 いままでだったら気にしなかった人の気持ちを敏感に感じるようになったのかもしれません」