――そして、WING WORKSは12月25日に『不死鳥-FENNIX-』をリリースされますが、こちらは『シルヴァー』『VAD†MAN』に続く3部作の最終作だそうで。どんな作品になるのでしょうか?
1作目『シルヴァー』はファーストアルバム『STAR GAZER MEMORY』のリードトラック。
RYO:SUKE:これは、3つでひとつの作品なんです。『シルヴァー』は、長く続けたバンドを活動休止した人間がゼロから新しく再生して生まれ変わるという内容なんです。だけど、その「再生」を裏から陰謀を仕掛けている人物がいて。
「革命」と「陰謀」の違いは、僕が思うに「革命」は世界を変えることに成功したものなんですね。「陰謀」っていうのは「革命」の手前の段階というか、初期衝動の「何か」が変わる直前の瞬間を切り取った作品が『VAD†MAN』なんです。
6月にリリースされたシングルの表題曲『VAD†MAN』。
――『VAD†MAN』のシングルのブックレットには小説(『銀なる陰謀』『UTOPIA』)が付いてますよね、それを読むと閉鎖的な「UTOPIA」に「陰謀」を仕掛けようとする「VAD†MAN」というストーリーが伺えます。それは今のご自身の比喩であったりするのでしょうか?
RYO:SUKE:今って世の中の状況だったり、自分の置かれてる状況を思ったとき、みんな「ちょっとやそっとじゃ生き方や社会って変わらない」と、若干諦めているような瞬間ってあるじゃないですか。
そんなムードは打破しないといけないと思っていて。やっぱり常識を飛び越えないと新しいものって生まれない。なので、3作目の『不死鳥-FENNIX-』ではタイムスリップをするんです。
――『VAD†MAN』のMVは未来が舞台ですよね。ラストで魔法陣に吸い込まれています。あそこから戦国時代にいくんですか?
RYO:SUKE:そうです。「魔法陣の先」は戦国時代なんですよ。戦国時代に飛んで将軍になって、天下統一して歴史を変えることで、結果的に世界を変えるんです。タイムスリップしたVAD†MANが不死鳥のように将軍に転生して天下統一をはかるという楽曲です。
これまでの作品で僕は「世界を変えよう」というメッセージを投げかけていた。そこで「じゃあどういう手法を使ってあなたは変えるつもりなの?」という問いに対して「時空を超えるんですよ!」と。つまり、「それくらいダイナミックに物事考えようよ!」と世界に対して提案したい。それで『不死鳥-FENNIX-』は時空を超えるという物語になったんです。
――戦国時代ということで、アーティスト写真も今回は和風なんですね。
RYO:SUKE:僕はこれまでジャパネスクというものにトライしたことがなくて、元々やってみたいと思っていたし、「クールジャパン」的に世界に対してアプローチする時に、日本文化のアイコンはすごいキャッチーだし武器になると思いました。
それに、今のヴィジュアル系シーンにも和物系みたいなジャンルが確立されてるじゃないですか。
今回自分なりのやり方でそのスタイルを表現することで、ヴィジュアル系が和をやるということにはこういう解釈もあるよということを提案したい。
そんな風にいろんな理由が組み合わさって、この『不死鳥-FENNIX-』という作品に帰着したというところはあります。