送迎時の挨拶の仕方

子どものよい手本となるためにも、保育者が明るく元気に笑顔で挨拶することは必要なことです。最低限のマナーが出来ていることが大切です。

けれども、人には得手不得手があって、子どもと遊ぶのは上手だけれども、大人相手に他愛もないお喋りをすることは苦手な保育者もいます。苦手な先生は、保護者に対して気の利いた一言がなかなか出てこないので、人知れず悩んでいることもあります。

更にこの社交性の低さのため、「愛想のない先生」として保護者から悪い評価を受けてしまうこともあります。だからといって、「子どもにとっても良くない先生」と判断してしまうのは、早急すぎるかもしれません。

筆者が耳にした「現場の声」

連絡帳を書くことは、保育者の負担になっていることもまた事実です。

私が耳にした現場の声としては、

  • 親は自分の子だけのことを書けばよいが、園側は大勢の子の分を保育時間中に書かなくてはならない。保護者からの長い文章が毎日書かれていると「同じように応えなくてはならない」というプレッシャーが保育者にかかり、交換日記状態になってしまっている。
  • 書くための時間を作るため、子どもと遊ぶ時間を後回しにしてしまうこともある。
  • お迎えの時刻の間際に書く時間が取れないので、園児のお昼寝の時間に午後で行う活動を想定して、薄暗い部屋で必死に書いている。
    そうなると、どの保護者に対しても同じような文章、例えば「公園で楽しく遊びました」などコピペ状態になる。こうなると保護者側も「ありがたみのないありきたりの文章だ」と正直感じているのではないかと思う。
  • 忙しい保護者にとっても「書かなくてならない」と負担になっているのではないかと思う。
  • 園側がちゃんと書いているのに保護者欄にはハンコが押してあるだけ、また、空欄の人がいて「読んでくれているのかしら?」と不安に思う。

それぞれの園の工夫

保育園の0歳児、1歳児クラスには検温など連絡事項として必要なものもありますが、それ以上の学年については各園で様々な工夫をしています。

たとえば、

  • 連絡帳は家庭、園とも特記事項があったときだけにする
  • 細かい文章を書くのは月末にまとめる
  • kidsly(キッズリー)」などスマホを連絡帳代わりにする(若い人は慣れている。しかし、文章量が多くなるなど統一が取れない難点も)
  • 最低限、必要な情報だけをチェック式で記入する
    「うんちが出たか ○ ×」
    「給食を食べたか ○ △ ×」
    「何分、昼寝をしたか ( )分間」

先生も大勢の連絡帳を書くと乱筆になってきてしまいます。その都度、ネットや辞書、携帯で確かめる時間もありませんから誤字脱字も多くなります。「努力していました」を「怒力していました」と書いてしまう人も!

こんなとき、チェック印だけで済むと“保育者の文字の綺麗、汚いによる評価”も受けずに済むので、採用している園もあります。

また、保護者にとっても、この3点は最低限の情報として欲しいですよね。大便の有無を把握し健康状態をチェックしたり、給食を全部食べたかどうかで夕飯の量を変えたり、午睡をどれくらいしたかにより寝付きが良いかどうかの判断も出来るからです。

保護者も「保育の質が連絡帳を書くことで低くなるような“本末転倒状態”にならないように、園が工夫している」ことを理解してあげましょう。