切りたての生ハムを出すなんてアンビリバボー!
料理の数は数えなかったけれど、ホテルなどのビュッフェでは、まずお目にかかれないものがあった。といっても料理ではない。生ハムだ。会場に設置したスライサーで、切りたての生ハムを提供しているのだ。
切りたての生ハムを食べさせてくれるレストランは少なくない。けれど、ビュッフェとなるとどうだろう?
真空パックの生ハムを出すところはあるかもしれないが、眼の前で切った生ハムを食べさせてくれるビュッフェがこの国にあるのだろうか? 生ハムの香りと風味を味わうなら切りたてが一番。シンプルだけど、とても贅沢なサービスだと思う。
生ハムのおいしい食べ方をご存知だろうか。
「生ハムは手づかみで食べるのが一番おいしい」とイタリア料理研究家に教えてもらった。なぜなら、金属のカトラリーを使うと金属臭が生ハムに移るからだ。なので、ぜひ手でつまみ、切りたての香りを味わいながら賞味しよう。めったにできない贅沢な味わい方だと思うよ。
そのまま食べてもおいしいけど、「ぜひ試してほしい食べ方がある」と山口さんはいいます。
どんな食べ方なのでしょうか。
「カンパーニュをオーブントースターで焼いてください。カリカリに焼けたパンにオリーブオイルをかけ、その上に切りたての生ハムをのせて召し上がってください」
山口さんが作ってくれた、生ハムをのっけたカンパーニュをいただいた。
サクサクカリカリのパンと、切りたてのしっとりとした風味豊かな生ハムが絶妙。
オリーブオイルの香りも加わり、素朴だけど、とても贅沢な一品でした。
1個1個パックされたオリーブオイルが、パンの脇に用意されている。オリーブオイルは空気にふれると酸化しやすいが、パックされたオリーブオイルならその心配も少ない。
些細なことだけど、おいしく食べてほしいという心遣いが嬉しいなあ。