境界線を無視する人とは少しずつ距離をとる
相手の関わり方が無遠慮で「失礼だな」と感じてしまう、気持ちをスルーされる自分ばかり受け取って疲れてしまう、そんな関係は健全とはいえません。
こちらは相手を尊重して正しく線を引いているつもりでも、相手が同じでないときもまた当然にあって、心と体に負担のかかるつながりはいつしかやめたいと思うようになります。
そんなとき、いきなり未読スルーや冷たい言葉をぶつけるようなやり方も考えてしまいますが、衝突が起これば後味の悪い終わりにしかなりません。
相手はその自分に違和感や疑問を持っていなければ変わることはなく、こちらが別の選択を決めていくのが最善です。
いつものように突然電話がかかってきて愚痴を吐かれはじめたら「いま外出中だから」など付き合えないことを伝える、欲しいと思っていないものを押し付けられそうになったら「気持ちはうれしいけれど今は要らないから」と手にするのを避ける、そうやって少しずつ相手の要求を拒否していくと、「断られる可能性がある」と実感した相手は接触を控えます。
無理をして関わりを受けるから相手は自分がストレスをかけていると気が付かず、「NO」を差し出すことでこちらにも事情があるのが当たり前なのだと伝えられます。
拒否することで罪悪感を覚える人は多いですが、人とのつながりは常に良い場面ばかりとは限りません。
自分も相手から「NO」と言われる機会を経験すれば、「それをしてもいい」のはお互いさまのはず。
ばっさりと縁を切るのも自分が楽になる一つのやり方ではあって、ネガティブな感情が残ってもすっきりするのは事実です。
それでも、相手との間に「傷つけあった」という確執が横たわれば、その後の環境によっては苦しい思いをする可能性を忘れてはいけません。
そのときの選択は後で自分に返るので、境界線を無視する人にはどう距離を置いていくのが自分のためになるのか、冷静に考えてみましょう。
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相手には悪意がなく、無邪気に線を踏み越えてくることもあります。
それをストレスなく受け入れられるならいいですが、圧力に感じたり嫌悪を覚えたりするときは、早めに「NO」を伝えるのが嫌な感情の摩擦を避けられます。
健全で居心地のいい関係には境界線があるのが普通、互いの気持ちを確認し受け入れあうのが尊重なのだと、忘れたくないですね。