新しい彼と再出発するために離婚したい!

奈々さんは夫からの追及にどう対処したのでしょうか?「あんたたちが勝手にして私をのけものにしてきたじゃない!」と訴えかけたそうですが、夫は「一緒に出掛けても、いつも不機嫌じゃないか」と返し、また「あんたが無視して、私は居場所がなかったの!」と吐露しても、「居場所がないのは奈々のせいだろ?」と相手にされなかったそう。

私が「今後はどうするつもりですか?」と尋ねると奈々さんは「これ以上、この家にいても仕方がないですよ」と覚悟を決めたのです。

とはいえ夫も最初から離婚ありきではなく、きちんと謝り心を入れ替え、二度と同じことをしないと誓えば結婚生活を続けてもいいと気遣ってくれたのですが、奈々さんは夫や子どものせいで精神的に追い詰められたのに「なんで私が頭を下げなきゃいけないの!」と反抗したのです。

結局、今の家族とやり直すより、ゼロから新しく人生をやり直したいと決めたようです。そのため、夫の計らいを断り、むしろ奈々さんの方から別れを切り出したのです。

そして子どもの親権について争うことなく離婚が成立したのですが、夫が子どもの養育費を請求しなかったため、奈々さんは経済的にも独身時代に戻り、新しい彼と再出発することができたのです。

最近、「SDGs」という四文字を聞かない日はありませんが、国連サミットで採択された目標の一つが「ジェンダー平等」です。ジェンダーレス化は今後も進むので、それに伴って夫婦が離婚する際、今までになかった新しい問題が起こるでしょう。令和の時代には平成の時代の常識は通用しないことを頭に片隅に置いておいた方がいいでしょう。

1980年生。国学院大学卒。行政書士・FP。離婚に特化し開業。6年目で相談7千件、会員は6千人を突破。バナナマン設楽さんの「ノンストップ」、明石家さんまさんの「ホンマでっかTV」、EXITさん初MC「市民のミカタ」などに出演。「STORY」「AR」などファッション誌にも登場。著書は「婚活貧乏」など11冊。