「うまくいかなかった自分」が消えない
「今の好きな人とうまくいかない」と悩む30代のある女性は、3ヶ月前に別れた元彼には「いっさいの未練や執着がない」と言い切り、実際に過去の恋愛を客観的に見てダメだった自分を受け入れているのはわかりました。
お付き合いまで進めそうな雰囲気の、いわゆる「いい感じ」になっている今の好きな人とは、デートを重ね楽しい時間を過ごせているそうです。
彼女が苦しんでいたのは、「告白したいと思うしOKしてもらえる想像もできるけど、本当は付き合うことを自分は望んでいないのかも」という葛藤です。
一緒に買い物をしたり映画を観たり、一度は彼女の部屋でお茶もするほどその人と心の距離は近いのに、恋人関係になる自分を思い浮かべると「嫌な姿を見せてしまいそう」と不安のほうが大きくなる、と彼女は言いました。
男性のほうも付き合うことを求めているのは態度を見れば伝わり、それをうれしいと感じるのにいざその関係に身を置く自分を考えると、「ちゃんとやれるの?」という不信感が先に来るのですね。
彼女の気持ちを細かく聞くと、そこには過去の交際でうまくいかなかった自分へのおそれがありました。
彼氏に甘えてわがままをぶつけていたこと、でも彼氏の要求はそのときの気分しだいで受け入れたり断ったりしていたこと、それに疲れた彼氏が「距離を置きたい」と言い出して喧嘩になり別れたこと、「好きな人を大切にできなかった自分」への後悔が強かったのですね。
彼女のなかには「今度もそうなるかもしれない」の不安が無意識に根を張っており、それが交際への進展を妨げるストッパーになっていました。
元彼への未練などとはまったく別のことで、彼女は過去を乗り越えていなかったといえます。