「できた自分」を思い出すことで自信を取り戻す

そんな自分を正面から見て反省し、「好かれているのは当たり前ではない、相手の気持ちに感謝してその自分をしっかりと伝えていく」、彼女は気がついた弱さから逃げずにそう決意していました。

そうなのに、「新しい自分」で好きになった人といざ交際に進めそうな状態になると逃げ腰になるのは、「その自分で成功するかどうかわからない」という自信のなさが原因かもと感じました。

その人と一緒にいたいと思うと、失敗した自分の姿ばかり心のなかで繰り返してしまうのですね。

失恋の痛みは、元恋人への気持ちはなくても「好きな人とうまくいかなかった自分」の事実としてしっかりと心に残り、次の恋愛をくじけさせます。

そんなときは、「その人との恋愛で自分は何ができたか」をもう一度思い出すのが肝心です。

仕事が忙しい彼氏のために手作りのお弁当を作っていたこと、おうちデートでは彼氏の好きな映画を優先していたこと、体調を気遣って栄養ドリンクを帰りに渡していたこと、「今日もお疲れさま」の言葉を毎日欠かさず送っていたこと。

それらは見返りを求めてしたことではなく、彼女が「そうしたい」と素直に思って動いていた姿です。

そんな彼女を見て彼氏のほうは「ありがとう」と言ってくれていた、その「事実」もまた、過去の交際には含まれます。

ダメだった自分ばかり思い出すと不安が募るのは当たり前で、そうではなく「できた自分」を忘れない姿勢が自信を取り戻します。

好きな人を大切にできる自分も確実にいて、だから交際は続いていた、終わってしまったのは彼女にも原因があるとしても、忘れてはいけないのは「好意を素直に伝えることができていた自分」です。

自分は人を愛することができるのだ、という純粋な「事実」は、どんなときでも好きな人を受け入れる心の器になります。