――佐江ちゃんをきっかけに、いろんな方が感動を持ち帰った東京公演。それではここで、ちょっと質問を変えます。例えば、スポーツ選手には今までできていたことが、急にできなくなってしまう“イップス”ということがあるみたいです。体を動かす舞台でも、そういうことが起きるのかなと思ったのですが、いかがですか?
ああーーーーー。でも、今回はいろんなことが初めてだったから、毎回ステージ立つ前に台本を全部読み直してて。っていう感じなので。。。今もなんですが、もう不安なんです。
私は、出だしが歌から始まるんですが、その一発目の歌で「あ! ヤバい。失敗した」っていうのが何回かあって。“音が取れなかった”とか、“歌詞が昨日の方が伝えられた”とか、“もっと伝えられたはずなのに”っていうのが正直あったんです。
そういうときは、一幕と二幕の間に休憩が20分あるんですが、その間に反省して切り替えて、「二幕で絶対、取り返すぞ!」って、思ったことが何回かありましたね。マズいぞ! って、自分にムチを入れて。
――休憩は20分と短いですが、気合いを入れ直したり、他には、どんな時間に当てるんですか?
あとは、台本読み直したりですね。
――台詞は完璧だけど、最終確認をしておく、という感じなんですか?
んーーー、というかやっぱり、自分が覚えた台詞を言うのと、目で文字を追って台詞を言うのとでは、またちょっと言い回しが変わってくるんです。頭で考えてるのと、目で見てるのって違うんです。
「あ、ここはもっと、こっちに力を入れて言った方がいいな」とか、文字を追いながら言うと、脳が勝手にそう反応するようで、「この感覚で本番臨もう」って、いう感じになるんです。
――そう思って臨んだときは、実際に手応えを感じたりしますか?
なるべく思ったことは全部やろうって思ってるけど、本番ではどうしても感情が先走っちゃって、「ありゃ! 今、ざあーーーーー、って流して言っちゃった」ってこともありますね。コルリが焦ってるシーンでは特に。
――感情が先走ったり、高ぶったりして“自分でも想像しない表現をしちゃった”ってこともあります?
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