「我慢」を強いる人の心理

ところが、人によっては「好きだからこそ我慢する」ことを相手に求める場合があります。

自分と相手の要求が違うとき、互いにとって納得できる道を探すのではなく、自分に合わせてもらうのを当然とする人のことです。

多くのケースでそれを「愛情の証」と当人は感じており、相手の我慢や忍耐、感情や肉体の負担は考えません。

自分の要求は「相手も」等しく受け入れるのが愛情だと思い込むのは、自信がないからです。

自分と相手は対等なのだと本当に思っていれば、相手の気持ちを知ってそれを受け入れることを避けません。

相手の要求や気持ちを自分に合わせて曲げさせることに痛みを覚えれば、退けることはできないのですね。

そうではなく、相手の状態を無視して我慢させることを求めるのは、それによって自分が正しいと思いたいから。

自信があれば、相手の承認がなくても自分の思いに不安を持ちません。

相手には相手の気持ちがあり、それが自分とは別のものだという現実に怯え、「悪い」とするのが我慢を強いる人の心の状態。

相手に合わせてもらうことでしか自分に自信を持てないのが我慢を強いる人であって、一緒にいる限りこちらの気持ちは抑圧が当然となります。

その結果、こちらばかり我慢することが多くなれば、愛情が消えていくのもまた当たり前のことです。

「我慢」は強いるものでも愛情の証でもなく、違いはふたりで解決する姿勢が、居心地のいい関係を築くためには重要です。