一時は恨む気持ちもあったけれど…

「電話を切ってから、元彼のほうこそ自意識過剰では、とか恨む気持ちが出てきたのですが、振り返ってみると最初の電話から、あの人は私と距離を取っていたのですよね。

自分は元カノだしすぐ仲良くなれる、と無意識に思い込んでいたことに気が付きました……」

そう言ってうなだれる里佳子さんは、元彼に謝りたい気持ちでいっぱいだといいます。

「彼氏と別れたって言われたら優しくして当然じゃないですか。私だってきっと慰めます。

でも、だからって親しくなる理由にはならないというか、距離を詰めたかったのは私だけで、あの人の気持ちを考えていなかったです」

元彼とのつながりを断ち切ってから、里佳子さんは自分の状態を冷静に受け止めることができるようになりました。

それは、元彼に一方的に甘えようとしていた自分を「恥ずかしい」と思うからで、元彼の態度こそ正しい距離の取り方だったと理解しています。

昔の恋人は、新しく出会う人より確かに自分のことをよく知ってくれてはいるけれど、それが「今のふたり」の仲を深める理由とは決してなりません。

お互いに身を置く現実は違っていて、当時のままの気持ちで自分と向き合っているわけではないのですね。

それを忘れて自分の都合ばかり押し付けてしまえば、相手をさせられることに負担を感じた相手は逃げていきます。

どんなときでも、相手の状態や気持ちを確認し、ふたりにとって居心地のいい距離感を探っていく姿勢が尊重になることを、忘れてはいけません。

距離感を間違えれば縁は切れてしまい、かえって孤独が募る結果になります。

過去の恋人であっても「今のつながり」をまずは大切にしたいですね。

失恋の痛みから元恋人に慰めや癒やしを求めて走る人はいますが、相手がその自分をどう受け止めるかは、自分では決められません。

距離を取られていると気がついたときは、自分もまた改めて「この人とどんな関係を望むのか」を考えるのが正解。

負担にならない関わり方を探していくことは、どんな過去があれ今のふたりを大切にする姿勢です。

プロフィール:37歳で出産、1児の母。 これまで多くの女性の悩みを聞いてきた実績を活かし、 復縁や不倫など、恋愛系コラムライターとして活躍中。「幸せは自分で決める」がモットーです。ブログ:Parallel Line