龍城市場の人気店が集まる食堂コーナーでもでも、ひときわ人気のある『上海小籠包』

台湾には小籠包や肉まんなど、いわゆる粉ものがとても多い。

小籠包のようなものならどんな味なのか想像しやすいが、摩訶不思議な「これはいったい何?」という台湾料理はだいたい粉ものの一種と見てまちがいない。

『千と千尋の神隠し』に出てきたようなブヨブヨしたものも、丸くて不思議なものも、粉ものの仲間なのだ。

今回はそんな粉もののなかから筆者がおすすめの5点をピックアップした。台湾の首都台北の街を元気に歩くために、美味しい粉ものでエネルギーを注入しておこう。

フォトギャラリー台湾粉もんグルメの名店外観&メニューを写真でさらに見る
  • 台北駅から桃園空港直通のMRT出口からすぐのところにある『黄福龍脆皮蔥油餅』は、お昼から午後にかけてのみ出店
  • 『黄福龍脆皮蔥油餅』の前に並んでいると、眼の前で次々と蔥油餅が膨らんでいく様子を見ることができて楽しい
  • できたては火傷しそうなほどアツアツの『黄福龍脆皮蔥油餅』の蔥油餅。プレーンは30元
  • 『圓環邊蚵仔煎』はテイクアウト(外帯)とイートイン(内用)が違うので並ぶ場所には要注意
  • お碗にたっぷりの碗粿。『小南鄭記台南碗粿』は具だくさんで甘辛いソースも人気の秘訣

小籠包(シャオロンバオ)

 ミニサイズの肉まんのような『上海小籠包』の小籠包。8個入りで90元

小籠包と言えば、鼎泰豊をはじめとする「肉汁たっぷりの薄皮小籠包」を思い浮かべる人が多いと思うが、台湾ではミニサイズの肉まんも小籠包と呼ぶ。

サイズが小さい分、旨味が凝縮されていて、皮も肉もギュッとしまっていて美味しい。

龍城市場というこぎれいな建物の中にある朝市には、遠方からもファンが訪れる地元の人たち一押しの小籠包店『上海小籠包』がある。早朝から昼過ぎまでの営業で、家族経営の小さな店には朝から行列ができる。

黙々と生地をこねるご主人、生地を伸ばす息子さん、あんを詰める娘さんの連携プレイは見ていて気持ちがよい。そばで蒸気の上がる蒸籠を見るだけでワクワクする。

皮はモチモチで甘みがあり、肉はふんわり柔らかく、肉汁もたっぷり。8個入りを数人で分ければ大満足だ。

上海小籠包(シャンハイシャオロンバオ)
台北市光復北路190巷39號(龍城市場内) TEL:0955-256788
7:30~13:30 月曜休

割包(グアバオ)

『石家割包』の割包は具だくさん! ふわふわの皮に豚の角煮スライスやピーナッツの粉がたっぷり

肉まんの皮よりも少しふわっとしたパンのような、甘みのある生地に豚バラ肉のスライス、高菜の漬物、ピーナッツの粉、パクチーなどをたっぷり詰めた「台湾バーガー」の異名を持つ割包。筆者がこよなく愛する台湾粉モノ&肉料理の代表格だ。

万人に受け入れられ、カロリーが気になる人には脂身の少ない「痩肉」も用意されている。ふわっとした生地と濃厚な豚バラ肉のバランスがたまらない。

なかでも臨江街夜市の『石家割包』はボリュームたっぷりで筆者の大のお気に入り。テイクアウトすると、ビニール袋に入れてくれるので夜市での食べ歩きにもぴったり。

石家割包(シージャーグアバオ)
台北市通化街21-1號 TEL:02-2709-5972
10:00~22:30 無休

碗粿(ワングオ)

『小南鄭記台南碗粿』は艋舺(万華)エリアで夜遅くまで営業。夜食にもぴったり

摩訶不思議な台湾グルメ10選に名を連ねそうな料理のひとつ、碗粿(台湾語でワッゴエ)。

名前を見ただけではどんな食べものなのか想像しづらいし、目の前に出されても「一体これは何?」と考えてしまう。

碗の中に入った米の粉(粿)なので、こんな名前が付いている。米粉を水で溶いて味付けした中に豚肉、タマゴ、野菜などを入れて蒸した料理。その構造は茶碗蒸しにも似ているが、もっと弾力があり、お腹にたまる。

蒸し上がったら甘辛いソースとにんにくペーストを添えていただく。プリッとしたなんとも言えない食感と醤油系の濃厚な味がやみつきになる台湾独自のグルメだ。台湾人にとっては食事ではなくおやつ的な存在。

店によって具材も味も大きく異なるが、龍山寺駅の近くにある「小南鄭記台南碗粿」は安定した味の台南風碗粿を提供してくれる。肉や卵の黄身など具がたっぷり入って、タレも香り豊か。碗粿初心者に最適な店だ。

小南鄭記台南碗粿(シャオナンゼンジータイナンワングオ)
台北市西園路一段216號 TEL:02−2306-0935
10:00~23:30 無休