2013年、『ホットケーキパーラーフルフル赤坂店』(以下フルフル赤坂店)がオープンした。
万惣出身の其田秀一(そのだひでいち)さんと川島克之さんがはじめたホットケーキとフルーツの専門店だ。
「いろいろな果物を使った料理を食べていただこうと思い、『フルーツフル』でフルフルと命名しました」(川島さん)
フルフル赤坂店にふれる前に、万惣の歴史を紹介する。
1846(弘化3)年に果物屋として神田に創業した。
その後全国各地で万惣フルーツパーラーの名で多店舗展開していった。
ほとんどの店で果物を販売したようだが、ホットケーキを出す店と出さない店があった。
其田さんは、ホットケーキを出していた神田本店などで約17年ホットケーキを焼き続けた。
一方、川島さんは、メニューにホットケーキをかかげなかった銀座松坂屋店に7年ほど勤務。
フルーツサンドやフルーツポンチ、パフェなどフルーツに特化した店で修業した。
万惣がすべての店舗を閉じた翌2013年、「万惣の伝統と味を残そう」と考え、2人はフルフル赤坂店を開業。
どんなホットケーキを提供しているのか、フルフル赤坂店を取材した。
フルーツクリームホットケーキを初体験!
「万惣同様、スタンダードのホットケーキ(2枚900円/以下すべて税込)と、フルーツクリームホットケーキ(2枚1600円)を出しています」
まずは、ふつうのホットケーキを作ってもらった。
「万惣では、前日仕込んだ生地と当日作ったものを半分ずつ混ぜて焼いていました。うちでは、いまも万惣の混ぜ方を継承しています」
2日分をブレンドすることで生地が落ち着き、きれいに焼き上がるのだそうだ。
約10分ほどで美しい焼き色のホットケーキが完成した。
ホットケーキと一緒に、バターと自家製シロップが運ばれてきた。
「バターは万惣と同じ明治の有塩バターを使っています」
バターもシロップも好みの量を自分でかけて食べるスタイル。