長く愛され続ける秘訣1:主人公に限らず登場人物を、応援したい!と思わせること
感情移入させ共感を呼ぶことは多く用いられていますが、そこから視聴者をドラマの中の登場人物の1人であるように思わせ、励ましたり叱ったりという気持ちにまでさせるのはかなり難しいと言えます。
しかし両ドラマは登場人物ひとりひとりの画面上には映らないバッググラウンドを細かく作り込むことで、視聴者自身をまるで登場人物かのように錯覚させることに成功しているのです!
『半沢直樹』に、半沢と大学時代からの剣道仲間として登場する近藤。詳細は描かれていませんがこれまでどれだけの苦労を重ねてきたかが、言動や表情から見てとれます。
会社の休職やマイホーム売却などといった苦労の一部を聞くと「本当に頑張って、ここまで…」と応援したくなりますし、出向先での近藤への扱いを見たときは「なんでやねん!」とテレビに向かって怒りをぶつけてしまうほど。本当に登場人物として自分もその場にいるような気分であることが、多々ありました。
『NCIS』だとチームメンバーの1人であるジバ。
見た目とは裏腹に暗殺者として育てあげられたという過去があるんです。
思わず画面に向かって「おいおい、どんな人生歩んでこられたんですか?」と聞きたくなるほど。
全てが語られることはないですが、壮絶だったことを想像出来るからこそ、彼女が恋愛をすると”仲良しの先輩が恋した!”かのように「ジバ!そこは抱きつくところやで!」と本気でツッコミ、応援してしまうんです。
両ドラマとも、制作の方や演じられている俳優さんの影の努力がそれを実現させ、長寿番組への一石となっていると言えるでしょう。
またそれが主人公だけでなく、脇の登場人物に関してまでということも、重要であると言えます。
長く愛され続ける秘訣2:憧れを持たせ、ヒントをくれること
2作品とも「こうであってほしい!」と誰しもが心の中で思っている、理想の職場環境や人間関係を形にしているドラマであるというのは先述した通りです。(もちろん全てが理想とは言いませんが)
それだけでなく少し自分が周りを変化させようと動くことで実現するんだと、教えてくれていることも大切なポイントになっているのです。
例えば間違っているものを、間違っていないか?と指摘し、周りから信頼を得ること。
ドラマの中で半沢は間違いと感じるものをズバっと上司に報告し、後輩からの信頼を得ています。
現実の世界ではなかなか信頼を得ることは難しいと言われていますが、それは「間違いを指摘出来る、筋の通った人」が少ないからではないでしょうか?
でも半沢のように報告することは、誰でも出来ますよね?
もちろん同時に解決策を提案することも必要だったりしますが「指摘する」という行為自体、難しいものではありません。
皆が「ん?」と思いつつスルーしている小さな事を、ビシっと指摘してみる。
これだけであなたがいるチームでの信頼はググンとあがるのではないでしょうか?
また人間関係もうまく回るようになり、仕事しやすい環境になっていくと言えるでしょう。
あなたが半沢を真似て少し動くだけで、自身が理想とする環境を実現出来てしまうかもしれないのです。
『NCIS』のありがとうが飛び交う職場も理想だと言えますし、これも自身が動くことで実現する可能性を秘めています。
「優しい上司」「出勤時間は自由」など叶わなさそうな理想ではなく、「間違いを指摘出来る」「ありがとうが飛び交う」といった身近で実現できそうな理想を形にするヒントを提供しているため視聴者は憧れを頂き、強烈に惹かれて、ついついチャンネルを合わせてしまうのでしょう。
ご紹介した2つの秘訣は特にドラマだけに限ったものではありません。
商品やお店など、私たちの日常生活で当たり前に接しているものにも共通していると言っても過言ではありません。
仕事やプライベートで、ちょっとだけ長く愛され続ける2つのポイントを意識してみてはいかがでしょうか?
また一度こういった目線で、テレビを視聴してみてください。
新しい発見が生まれ、面白いかもしれませんよ。