N/Cレートを意識した食材選びを

では、食生活において何を意識すべきなのでしょうか。まず、お米やパン、麺、果物、スイーツ、お酒、ジュースなど、エネルギー源となる炭水化物の摂取の仕方に気を配ることは前提条件です。

人に必要な5大栄養素のうち、炭水化物、タンパク質、脂質を除いたミネラルとビタミンにはカロリーはありませんが、代謝に大きく関わる重要な成分です。ある食べ物の総カロリーに対して、ミネラルやビタミンがどれくらい含まれているかを表す比率を「N/Cレート」(N=栄養的価値/C=総カロリー)といいます。

このN/Cレートが高い食材(栄養的価値の高い食材)を選んで食べる「高N/Cレートダイエット」こそが、少食でも十分な栄養素を摂取できる効率的な方法で、痩せる食生活のキモになっていると森先生は話します。つまり、低カロリーな食材を選べばいいという単純な問題でもありません。

「精製された食べ物はミネラル・ビタミンが不足しがちで、N/Cレートの低い傾向にあります。また、化学調味料や保存料、人工甘味料、着色料などの添加物が多く含まれていると人間の内臓では消化吸収に労力がかかり、体内のミネラル・ビタミンを余計に消費してしまいます。(本来の消化や代謝に必要なミネラル・ビタミンが足りなくなると)体脂肪を燃焼しづらい身体になってしまいます」
 

和食では「薄味」を意識しよう

ダイエットで推奨されることの多い和食。実は高N/Cレート食材が豊富に含まれています。

「日本で昔から作られている、日本人に合う食材を選びましょう。そのうちN/Cレートが高い緑黄色野菜、わかめやひじきなどの海藻類、ゴマやクルミなどの種子類、きのこ類、芋類、豆類、魚類を積極的に摂取してください」

これらは古くから日本で食べられている食材で、総称して「マゴワヤサシイ食品」と呼ばれています。これらを主菜、副菜として、玄米と味噌汁を加えた食事は、内臓に負担をかけることなく消化吸収されます。

ただし、ヘルシーなマゴワヤサシイ食品を使う和食にも、「塩分」「糖分」という注意点があります。和食の味付けには砂糖や塩を使うことが多いので、砂糖は本みりんや天然のはちみつにするか避ける、塩は少なめと、「味付けは薄めに」を心がけると完璧です。

“食事制限”ではなく“食生活改善”こそがダイエット。日常に馴染んでしまった悪習慣を排除する、引き算の考え方で食生活を見直してはいかがでしょうか。


森拓郎
株式会社rinato代表取締役。フィットネストレーナー、ピラティス指導者、整体師、美容矯正師。自身のカフェ「ココカラforest」にて簡単な栄養学のセミナーやデトックスのためのファスティングセミナーなど行う。4月17日、4月24日、4月30日に同カフェでファスティングセミナーを開催。オフィシャルブログtwitter

 

 

フリー編集者・ライター。岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。