スタイルこそ似ていれど、全く新しい「Gスティック」

【銀座ベーカリー】 「アスパラガスビスケット」によく似た『銀座ベーカリー』の「Gスティック」。左から野菜、セサミ、枝豆

「Gスティック」は、セサミ・枝豆・野菜の3種類(すべて631円)。

セサミは「アスパラガスビスケット」にそっくりだが、硬さが異なると語る丸山さん。

枝豆と野菜は、ジャガイモがベースの生地を揚げずにオーブンで焼成。枝豆も野菜もチーズが入っているのでビールとも合います。

10種類すべて生地を変えている「レアーズ」

【銀座ベーカリー】 「レアーズ」。(上から時計回り)パイナップル、マカデミアレーズン、チョコレートチャンク

一番感激したのが「レアーズ」だ。味は10種類(すべて286円)。

そのうちの一番人気のマカデミアレーズン、チョコレートチャンク、パイナップルをいただいた。

丸山さんがいうとおり、地味なクッキーかもしれない。ところが、手でわった瞬間驚いた。硬くないのだ。

【銀座ベーカリー】 「レアーズ」は全10種類。全部食べてみたくなる新食感のクッキーでした

生のようなクッキーという意味で「生クッキー」と呼んでもいいかもしれない。

マカデミアレーズンはシナモンを使用。チョコレートチャンクは、ビターのチョコレートとホワイトチョコレートを併用。

「口のなかでチョコレートの濃淡がでるような作りにしています」

見た目と味わいのギャップがこれほどあるお菓子は珍しいかも。

【銀座ベーカリー】 ビターのチョコレートとホワイトチョコレートを使った「チョコレートチャンク」

3枚のなかで一番感動したのが、パイナップルだ。

生のようなクッキーの食感と、パイナップルの旨味が凝縮した味に虜になった。ドライのパイナップルを戻してから使うことでさらに旨味が増すんだそう。

もっと驚いたのが、丸山さんの次の言葉だった。

「10種類の生地をベースからすべて変えています。しかも手焼きです。水分を保つことで、しっとり感を出しています」

体験したことがない「新食感のお菓子」を銀座で

【銀座ベーカリー】 ブルーを基調とした買い物袋が素敵でした

「レアーズ」だけでなく、「Gスティック」も「カステラビスケットサンド」もなぜそこまで凝るのだろうか。

「銀座にはおいしいお菓子屋がたくさんありますが、同じようなお菓子を作ろうとは思っていません。私達にしかできないお菓子を作ろうという思いで、『銀座ベーカリー』の名を復活させました」

おいしいだけでなく、体験したことがない新食感のお菓子を銀座で提供している。

生のようなビスケット、生のようなクッキー。原稿を書きながらも、早く買いに行きたいとうずうずしている。

【店舗情報】銀座ベーカリー

◼︎住所:東京都中央区銀座1-5-5
◼︎電話:03-3538-0155
◼︎営業時間:11:00~20:00(日曜~18:00)不定休

東京五輪開催前の3歳の時、亀戸天神の側にあった田久保精肉店のコロッケと出会い、食に目覚める。以来コロッケの買い食いに明け暮れる人生を謳歌。主な著書に『平翠軒のうまいもの帳』、『自家菜園のあるレストラン』、『一流シェフの味を10分で作る! 男の料理』などの他、『笠原将弘のおやつまみ』の企画・構成を担当。