「義父の介護を一方的に押し付けようとした夫に抵抗したら大喧嘩になり、そこから家庭内別居が始まりました。夫が寝室を出て客間を自室にしていますが、子どもたちがいるとき以外は口をきくこともなく、夜もひとりでのんびりできるので正直に言えばラクですね。
困るのは、トイレに行くタイミングが同じで廊下でばったりとか、飲み物を淹れようとキッチンに向かったら夫がレンジを使っていて入れないとか、したいことができないとき。
会いたくないし話すこともないので同じ空間にいることが耐えられず、自分の気配に気づかれないようにその場を去るのがストレスです。おそらく夫も同じような思いをしているのかもしれませんが、同じ家で別居状態なんて選んでも、タイミングが被れば『いないもの』にはできないのですよね。
子どもがいるときはまだ気持ちを隠して話せているのでマシで、ふたりきりのときですよね。シーンとした家のなかで相手が何をしているのか、気配を感じるだけで心が重たくなります。
トイレに行きたくなったらいま夫が使っていないかどうか物音を確認するのも本当にストレスで、いい状況じゃないなとしみじみ思います。
でも、だから元の状態に戻るなんてことも現実的に考えられなくて、今後をどうするかでずっと悩んでいます」(女性/52歳/販売)
別居とはいっても同じ家のなかで暮らすのなら、トイレなど共有するものがあることはどうにもなりません。
「タイミングが被ることで気まずい思いをする」のは家庭内別居ではよくあることで、生活をともにする限りそのストレスはつきまといます。
同じ家のなかでの別居は気軽なものでは決してなく、過ごすうえでいろいろな引っ掛かりが生まれることを考える必要があります。